症状別 漢方の教え

KAMPO KNOWLEDGE
更新日:2021/10/11 (月)

水いぼに薏苡仁(ヨクイニン)・はと麦

はと麦

“鳩が好んで食べる麦”という意味から名前をつけられたハトムギ。

東南アジアが原産地で、日本では、300年程前に渡来し、民間薬として栽培されるようになりました。ハトムギには、滋養強壮・美肌・いぼ取りや利尿作用・消炎作用・抗腫瘍作用などの効果があるとされ、お茶として飲まれてきました。

ハト麦(イネ科)を焙したものがハトムギ茶になります。お粥に入れて薬膳粥もありますね。
また最近では、化粧品や入浴剤にも配合されており、美容と健康に効果が期待できます。

薏苡仁(ヨクイニン)

漢方生薬では、薏苡仁(ヨクイニン)と呼ばれて使われています。
ヨクイニンは、イネ科のハトムギの種皮を除いた成熟種子。
味は甘く、身体に溜まった水を巡らせるのにすぐれています。

身体に余分な水の滞りがあることで出る症状の、むくみ・頭痛・発熱・身体が重い・胸苦しい・下痢・しびれ・関節痛・こわばり・尿量減少・白色の帯下(おりもの)などに最適です。
また、清熱排膿作用もあるので、ニキビやイボ取りにも効果があります。

味:  甘・淡、微寒
帰経: 脾・胃・肺
効能: 清利湿熱・祛湿除痺・排膿消腫・健脾止瀉

水いぼ

薏苡仁(ヨクイニン)と言えば、やはり最も有名なのは「水いぼ」の薬ということではないでしょうか?

水いぼは小学校就学前のお子さんでは必ず1度は経験するものでしょう。透明の、表面がテカテカとした、ぷくっとしたできものができます。水いぼを掻き壊してとびひになるととてもやっかいです。

プールに入れなかったり、採ってもまた繰り返すこともあり、親としては何とか良くしてあげたいものです。

水いぼに特効薬はありませんが、薏苡仁(ヨクイニン)を継続して服用すると良いということで、病院でもよくいにんが出されます。が、、、錠剤を何錠も子供に飲ませるのが大変!というお母さんもいらっしゃるのではないでしょうか?

実は、薏苡仁(ヨクイニン)は「薬力が緩和であり、大量を用いる必要がある」とされています。小さな子供に大量にヨクイニンを飲ませるのは一苦労ですね。

そんな時、薏苡仁(ヨクイニン)をそのまま粉末にした薏苡仁(ヨクイニン)末が便利です。そのものを粉末にしているもので、完全には溶けませんが、さっとお茶やご飯やお味噌汁や・・・あらゆる飲食物に混ぜやすいため、子供にでも難なく飲ませることができます。味は、お粥?のような風味で、混ぜても遜色ありません。おそらく、子供は気づきません。

漢方薬

薏苡仁(ヨクイニン)を使った漢方薬には、桂枝茯苓丸加薏苡仁・腸癰湯・麻杏薏甘湯・薏苡仁湯などがあります。
桂枝茯苓丸加薏苡仁は、自律神経失調症・更年期障害・高血圧症・無月経・子宮内膜症・子宮筋腫・卵巣嚢腫・耳鳴り・神経痛・ネフローゼ・夜尿症・肋膜炎・痔核・眼病・蓄膿症・にきび・イボなどの症候に用いられます。
腸癰湯は、虫垂炎・骨盤内炎症・痔核感染の症候に、冬瓜子・桃仁・牡丹皮などと配合されています。
麻杏薏甘湯は、湿疹・寝ちがい・サメ肌・むくみ・頸骨腕症候群・腰痛症・坐骨神経痛・筋肉痛・関節リウマチ・妊娠性浮腫・腎炎・イボなどの症候に麻黄・杏仁・甘草などと配合されています。
薏苡仁湯は、肩関節周辺炎・頸肩腕症候群・腰痛症・膝関節水腫・慢性関節炎・慢性関節リウマチ・神経痛・脚気などの症候に麻黄・当帰・白朮・桂皮・芍薬・甘草などと配合されています。
※ハト麦は、長期間服用することができますが、水分が溜まっていない人や、便が乾燥して便秘の人、妊婦さんは注意して摂取する必要があります。