症状別 漢方の教え

KAMPO KNOWLEDGE
更新日:2021/10/11 (月)

沢瀉(たくしゃ)

沢瀉

沢瀉は、オモダカ科サジオモダカという水草から採れる生薬です。

水中に伸びる地下茎のうち、大きく膨らんだ部分を乾燥させて用います。

下半分は水の中、上半分は日光が良く当たる所に育つサジオモダカ、この特徴は沢瀉としての効果に、よく似ています。

体の中の湿気に注意

沢瀉には、水分代謝を助ける働きがあります。

日本は湿気が多く、特に雨が降り続く梅雨になると体の中にも沢山の湿気が入ってきます。

湿気は重く粘る性質をもつ為、下方に滞留しやすく、エネルギーや血液の流れを妨げる重荷となります。

梅雨時期になると、身体が重だるく、むくみ・めまい、痛みが出る、膀胱炎になりやすい、代謝が悪くなる…などは、体内の過剰な湿気が原因です。

元々、胃腸あるいは腎臓が弱い体質だと、余分な水分が体に停滞しやすく梅雨時期に限らず同じような症状が出やすくなります。

このような水分バランスの不調に欠かせないのが、沢瀉です。

沢瀉の効能

下半身は湿気でじっとり、上半身は乾いてカラカラ。体がサジオモダカみたいな状態になったら、沢瀉の出番です。

 

○下半身の水を流す

むくみ、関節痛、下痢などを引き起こす余分な水分を、尿として外へ出す働きがあります。

また、流れない水は、時間が経つと池や沼のように濁り、蕁麻疹や炎症を招く要因にもなります。

沢瀉は、この濁りをさらさらと流れるきれいな水へと戻してくれます。

 

○上半身の熱を逃がす

水が滞るというと、水分が豊富にあるようですが、必要な所へは行き届いていないため、潤い不足が生じます。

湿気が集まる下部とは逆に、上部は水分不足で熱がこもり、喉が渇いたり、寝付けなかったり…。

沢瀉は、下に溜まった余分な水を流しながら、全身に潤いを届けて熱を除きます。

沢瀉を含む漢方薬

○主に胃腸の水分代謝を助けるもの

・当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

・五苓散(ごれいさん)

・胃苓湯(いれいとう)

・柴苓湯(さいれいとう)

・半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)

・啓脾湯(けいひとう)

・補気建中湯(ほきけんちゅうとう)

・分消湯(ぶんしょうとう)

 

○腎臓や膀胱などの炎症を鎮めるもの

・猪苓湯(ちょれいとう)

・五淋散(ごりんさん)

・竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)

 

○腎の働きを高めるもの

・六味地黄丸(ろくみじおうがん)

・八味地黄丸(はちみじおうがん)

・牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)