症状別 漢方の教え

KAMPO KNOWLEDGE
更新日:2019/12/27 (金)

黄耆(おうぎ)

黄耆は、マメ科キバナオウギ、ナイモウオウギなどの根を乾燥させたもの。

高麗人参と同じ「補気薬」の代表です。

気を補う

補気薬とは、を補う薬。「気」は活動するためのエネルギーであったり、やる気であったり、身体を守る力であったり、目には見えなくても生きる上で欠かせない要素です。

生活している中で絶えず消費されるものなので、その分は補充が必要です。

食べ物から、空気から、体は日々「気」を取り込んでいますが、過度の消耗があったり、取り込む力が弱いと、気の不足「気虚」が起こります。

食欲がない、体がだるい、動きたくない、やる気が出ない、風邪を引きやすい、息切れ、汗がだらだら出る、不正出血、お腹が緩い‥など

このような時に助けてくれるのが補気薬です。

黄耆の性質:甘、温、補

黄耆は、消化吸収を行う「」、呼吸を主る「」、この2つの働きを特に高めます。どちらも「気」を取り込む為の重要な働きです。

○体を温め、脱力しているものを上に持ち上げる

「気」は陽気といい、温める力を持っています。身体全体の巡りを良くして、代謝を活発にする為に「陽気」はなくてはならないものです。

また、その場所に留め、支える為にもエネルギーが必要です。「気」が極度に足りなくなると、重力に従って色々な物がだらんと下がってしまいます。

手足が重い、寝転びたい、胃下垂、脱肛、低体温、足のむくみ、代謝が悪い、軟便、少ない出血がだらだら続く…

黄耆は、本来の位置に持ち上げてキープし、不要に下へ流れてしまわないように保持してくれます。

○体表を強め、身体を防衛する

体表は外からの刺激を直接受ける場所。身体を守る為の最前線です。

「気」が届かないと、皮膚が弱く、汗腺は緩みっぱなしで体の水分が漏れ出てしまったり、体温調節が不得意、また、外からの邪気も緩んだ所から簡単に入り込んでしまう為、体は外部の変化に影響されやすくなります。

少し動いただけで汗がだらだら、かぶれやすい、傷の治りが遅い、暑さで夏ばて、冬は風邪を引きやすい、風にあたるとぞわぞわ…

黄耆は、エネルギーを体表に行き渡らせて肌を丈夫にし、外からの様々な刺激から、体を守る力を高めてくれます。

○余分な水を排出する

人間の体の60~70%を占める水分、これを体内に巡らせて活用する為にも「気」のエネルギーが必要です。

巡らせる力が足りなくなると、摂った水分は体に溜まりっぱなし。余分に溜まった水分は、隅々まで新鮮な栄養を届ける「気」と「血」の流れも邪魔してしまいます。

おしっこが少ない、むくむ、関節痛、しびれ、汗がじっとり、肌に弾力がなくぶよぶよ、食べていなくても太る

黄耆は全身、特に体表付近に溜まっている水の流れを助けてくれます。持ち上げる働きと相乗効果で、足のむくみも和らげます。

■黄耆を含む漢方薬

・主にを補う・・・黄耆建中湯、補中益気湯、桂枝加黄耆湯

を補う・・・ 帰脾湯、人参養栄湯、十全大補湯

の代謝を改善・・・ 半夏白朮天麻湯、防已黄耆湯

他に、七物降下湯、清暑益気湯、清心蓮子飲など、「気」が不足気味の人の不調に使う漢方に含まれます。

「気」は、どんな活動にも欠かせないものです。一時の消耗で「気」が不足したのであれば、まず休養が一番!

もし、元々「気」を取り込む力が弱いかも、と感じたら・・・植物の力を借りて、心も体もいつも活き活きと過ごしましょう!