症状別 漢方の教え

KAMPO KNOWLEDGE
更新日:2019/12/25 (水)

口臭の原因は胃腸にあり

気になる口臭

48歳の女性の方。

自分では分からなかったが、まわりが言っているのを聞いてしまい、口臭が気になるように。数年前から歯石を取りに行くなどもしているが、それでもまだ気になる。

また、ストレスで下痢をする事も多い。仕事のストレスが自分ではどうしようもない事なので、上手にやっていきたいが、なかなかうまくいかない。

体質は、疲れやすい、暑がり、冷え性(足)、汗かき、口中は酸っぱい感じ、食欲低下(ストレスで)、胃痛、寝つきは普通だが熟睡感はない、通じ1~3日に1回(下痢気味)、子宮筋腫で子宮全摘(1年前)、ストレスを感じやすい、我慢してしまう、気が沈みやすい、不安になりやすい、細かい所が気になる

胃と脾

漢方で消化吸収に関するのは五臓(肝・心・脾・肺・腎)の中では「脾」です。五臓にそれぞれ、「腑(ふ)」という密接な関係を持つものがあり、脾は「胃」という腑と密接な関係を持ちます。よく五臓六腑といわれますよね。(腑が一つ多いのは水の通り道の三焦(さんしょう)が加わるためです)

簡単に言うと、食べたものを栄養に変えるのは「胃」の働きで、その栄養を体の隅々に配るのが「脾」と考えます。

つまり、「胃」が失調し、食べ物をうまく栄養として取り入れられないとげっぷやしゃっくり、口臭などが起こり、同時に飲食物を小腸・大腸へ送り出すことができないため、下痢が起こります。そして「脾」は体に栄養を送れず、疲れやすい、痩せる、という症状が出ます。

この脾胃の働きをコントロールしているのは「肝」です。肝は自律神経系でストレスの影響を大いに受けます。

この方もまさに、ストレスから脾胃の働きが失調している状態でした。

脾胃不和には瀉心湯(しゃしんとう)類

脾胃不和を改善する瀉心湯(しゃしんとう)類の中でも、最も虚弱な方向けの漢方薬を飲んでいただきました。

1か月後、口臭はまだ気になる、胃腸の調子は上がってきた感じがする、ストレスはまだまだ、、、

2か月後、口臭も以前より気にならなくなってきた、胃腸の調子は不調と思う事があまりないので、良くなっているのだと思う、仕事のストレスはしょうがないと思う事も出始めているがまだある

3か月後、口臭の事を考えなくなっているので、良くなったと感じる。胃腸の不調も仕事でストレスを大きく感じる時はあるが、考え方を少し楽にさせるようにトレーニング中なので、以前よりはよい、最近は便秘だと感じる

6か月後、口臭の事を考える事は全くなくなった!仕事でのストレスも周りを変えることはできないので、自分の捉え方を柔らかくできるようになってきていて以前と比べると受け流せるようになってきている

問題は心の面。

真面目で全て自分事で受け止める為、許容量をオーバーしやすい性格とのこと。それは長所として変える必要はなく、ただ、自分でできること、できないことを切り分けて、出来ない事に関しては、ひとまず横に置いておくという考え方など、来店毎にその時の仕事上でのお悩みをお伺いし、私なりの思いもお伝えし、どのような受け止め方、受け流し方をすると楽になれるかを一緒に考えていきました。
今では、以前なら不調になっていたような事でも、ある程度上手に受け流すことが出来るようになってこられたそうです。
少しずつ、自分で自分をコントロールできるようになって頂けるように、今後もご相談させて頂きます。

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