症状別 漢方の教え

KAMPO KNOWLEDGE
更新日:2019/12/24 (火)

毎月40度の発熱!肺陰虚で抵抗力が低下

20代前半の小柄で可愛らしい女性

初めてお会いした時はマスク越しの鼻声がとても苦しそうでした。
3年前に肺炎を患ったのをきっかけに、それから毎月必ず一度は40℃近くの高熱が出るようになってしまいました。
同時期からアレルギー性鼻炎と副鼻腔炎も併発。鼻水よりもつらいのは、粘っこい痰が鼻・のどの奥にへばりついてなかなか出てこず、ほぼつまりっぱなしだということ。抗生物質や抗アレルギー剤が手放せない生活を送っていました。

悪循環を断つ

毎月40度を超える発熱があるというのは、体の抵抗力、免疫力が極端に低下しているのが原因です。外から入ってきたばい菌に対して、体の免疫として一番最初に機能するのは、鼻や口の粘膜・気管支です。花粉・黄砂・PM2.5は“渇く”と侵入してくるで解説しているように、この方の場合、体の消耗が進み、さらに抗アレルギー剤を飲むことで乾燥に拍車をかけ・・・粘膜・気管支がボディガード役を果たせなくなっている状態でした。このような状態を「肺陰虚(はいいんきょ)」と捉えます。一方で、毎回40度を超える発熱。これは漢方ではある意味″いいこと”と捉えます。それだけの熱を出すエネルギーが体にある「実証」だからです。実証の場合、比較的回復が早いというメリットがあります。肺を潤し、炎症をとっていく漢方を飲んでいただきました。

実証は回復が早い

漢方始めて1か月目、40℃の発熱が一度ありましたがいつもより回復は早かったような?でもまだ大きな変化は感じられません。鼻の調子も変わらず。
2ヶ月目、発熱が一度もありませんでした!3年ぶりの事に大喜び!この頃からあんなに手放せなかった抗生物質を飲まずに過ごせるようになってきました!でもまだ鼻づまり・痰はなかなか頑固。
3ヶ月目、忙しい日が続いた後に肺炎に。悔しい!でも今までより長引かなかったし、今まではつまる一方だったのが鼻水や痰が出るようになってきました。
4ヶ月目、いよいよ冬到来!風邪気味で少し扁桃腺が腫れてしまいましたが、プロポリス飴の大活躍で乗り切りました。また鼻水や痰が増えてきたこの頃から匂いがするように!嬉しそうなご様子にこちらも感動!
5ヶ月目、今回の冬は寒暖差が激しいので心配していましたが、風邪をひきかけたものの、こじらせる前に治すことができました!去年までは冬になると、引いては治りかけ、また引いて・・・と、季節中ずっと風邪を引いていたとのことですが、今年はだいぶ元気に乗り切れるようになっています。
スタートされてからもうすぐ半年。波はあれど、いまや抗生物質いらず!着実に前進中です!彼女の身体の中からこうして自然治癒力が発揮されてくるのを目の当たりにすると、頼もしさすら感じます。日々真面目にコツコツと続けられているお姿から、良くなりたい!という強い思いをひしひしと感じます。いつも愛らしい笑顔で良くなったところを報告してくださる姿に、私も元気をもらっています。