症状別 漢方の教え

KAMPO KNOWLEDGE
更新日:2019/12/24 (火)

運動選手は陰虚(いんきょ)になりやすい

中学3年生の男子

春に風邪を引いてから軽い喘息のようになってしまい、そこからちょっとしたことで咳・痰が出やすくなってしまったとのこと。
一番困るのは部活中。長距離の選手で周りからも期待される選手のようですが、走ると痰がたまるようになってしまい、最中も苦しいし、ひどいと走り終わった後に吐いてしまう。透明で出にくい痰、空咳も痰のからむ咳も同じくらいある。

中学最後の年だから、頑張りきってほしい、というお母様の願い。
本人は、「長距離は昔からやっているけどもう好きじゃないよ」なんて横で言っていましたが、最後に吐いてしまうほど苦しくても走りきるその強さに、すごい子だな、走って皆の期待に応えたいんだなと、とても応援したい気持ちになりました。

運動選手は陰虚になりやすい

飲んでいただた漢方薬は、陰虚という潤い不足の状態を、しっかり補ってあげる漢方薬です。

陰虚とは、体の水分や血液が消耗してカラカラになり、激しくないものの炎症が起きやすい状態になっていることです。
通常ご年配の方に使うことが多い薬なのですが、若い子でも生まれつきの体質によって使うこともあったり、また運動選手の方は激しく汗をかくので陰虚になりやすかったりもします。今回の男の子は特に汗をかきやすく、寝汗もあり、そこに激しい運動が加わり、体の水分がカラカラになっていると考えられました。余談ですが、同じ理由でサウナに入りすぎても、やはり陰虚になります。サウナ好きな方はお気を付け下さいね!

部活も完全燃焼、その後の受験も大成功

1ヶ月目は、鼻水は出ないが痰はまだ出て、きついレースのあとではもどすこともあった。
2ヶ月目には痰はすっかり良くなり、本人も部活を頑張りきれたとのこと。「これからは受験なので、風邪予防と花粉症予防のために使っていきたいです」とお母様から言われました。
もちろん使えます!!

花粉症の薬は、飲んで眠気の自覚がないとしても判断力・思考力は知らず知らずのうちに弱ってしまうという、受験生には悩ましい薬ではありますが、結局この男の子は、風邪も引かず、花粉症の薬も飲まずに過ごせ、部活だけでなく受験でも実力をしっかり発揮できました。

漢方薬はおそらく皆様が思っている以上に、幅広い使い方・効能を持っています。
こんなこと、どうかな。効果あるのかな?悩んでいることは、一度是非ご相談くださいね。