症状別 漢方の教え

KAMPO KNOWLEDGE
更新日:2025/10/14 (火)

秋は守りの季節です

虫の鳴き声や草花、カラッとした風、うろこ雲から、日ごとに秋が深まるのを感じます。
紅葉の色づきも、もうすぐでしょうか。

私たちの身体にも、日々の気温差や空気の乾燥など秋の影響が。
皆さまは何か対策されていますか?

毎日の漢方+養生で、お好きな秋の過ごし方を楽しめますように♪
 
―秋に増えるお悩み―
□ 肌の痒み、肌荒れ、乾燥肌
□ 頭皮の痒み、抜け毛、髪のパサつき
□ のどの痛み、咳、喘息
□ 便秘
□ 悲しくなる、憂鬱になる
□ ソワソワ・イライラする
□ 頭痛、耳鳴り、めまい、不眠

ではなぜこのようなお悩みが増えるのでしょう?

夏から秋への変化のポイントは、
太陽の「陽」のパワーが減っていき、「陰」の気がぐっと増すこと。

具体的には、
 ○ 日照時間の短縮
 ○ 気温差、気温の低下
 ○ 湿度の低下
などが自覚しやすいですね。

これらが身体に影響を及ぼすメカニズムを知ることで、予防や対処がしやすくなります。
 
【一番にダメージを受ける肺】
適度な潤いを好む肺は、乾燥する秋が苦手。
全身へ潤いを与える機能が低下し、体表面や粘膜が乾燥します。

そのため、
 ・皮膚の痒みや炎症
 ・喉の痛みや咳
 ・腸の乾燥による便秘
などが見られます。

さらに乾燥を放っておくと、バリア機能の低下により風邪などの感染症にかかりやすくなることも。
 
また、肺は「悲しみ・憂い」の感情と関係し、「悲しめば則ち気は消える」と言われています。

悲しみ過ぎると肺の気を消耗し、意気が消沈し、呼吸が浅くなったり咳が出たり、ため息が出たりします。
風邪を引いたり、生きる気力を失ったりする場合も。


さらに肺の機能が弱り気の巡りが低下することで、自律神経も乱れやすくなります。

気持ちが落ち込みやすいのも、感傷的になるのも、気持ちが不安定になるのも、季節の影響なのです。


特に肺が弱りやすいのは、
 ・アレルギー疾患をお持ちの方
 ・呼吸器や心臓に疾患をお持ちの方
 ・季節の変わり目に風邪を引きやすい方
 ・胃腸が弱い方
 ・ご高齢の方 など

肺を潤し、綺麗な空気を循環させることで、内側から元気にすごしましょう!