症状別 漢方の教え

KAMPO KNOWLEDGE
更新日:2025/09/16 (火)

秋の空と養生

近年は温暖化により、春と秋が短く“四季”が薄れてきているとか…。
今年は、9月も気温が平年よりかなり高い状態が続き、秋雨前線の影響で全国的に雨の日が増える
見込みだそうです。

秋といえば紅葉狩り。
私が子供の頃は10月には楽しめていたような記憶があるのですが、最近では11月下旬にやっと紅や
黄色に染まった山々が見られる気がします。

昔のように、暦通りに季節を感じる、という訳にはいかなくなっていますね。
しかしその分、自分自身の繊細な五感で、季節の移り変わりを感じる心地よさもあると思います。

秋の訪れを感じるポイントは、乾燥の「燥」。空気が乾燥しやすい時期にもなりますので
乾燥に注意しつつ、雨の時期にはその時々にあった養生を。

空や雲の様子、風を感じその時々に合った方法で、季節の変わり目を穏やかに過ごしましょう。                                 

【ジメジメ秋雨期間の不調】
秋はしとしと雨が続いたり台風が来るなど、気圧が下がり湿度が高まる期間があります。
また、秋に特徴的な雲のひとつ「ひつじ雲」。このような、モクモクとひと塊が大きめで分厚い雲が浮かんでいる時は、
低気圧や秋雨前線が近づいていることが多いそう。目安のひとつになりますね。

この時期は、ジメジメ湿気の邪気「湿邪(しつじゃ)」に加えて残暑の「暑邪(しょじゃ)」の影響を受けたり、
朝晩の気温が下がってくる頃には「寒邪(かんじゃ)」の影響が加わることも。

漢方的には、脾=胃腸の調子を崩しやすくなり、体内の余分な湿気がわるさをしがちに。
以下のような不調が出やすいので、もともとお悩みのある方は無理をしないこと。


「湿気+暑さ」or「湿気+寒さ」により出やすい不調

□ 吐き気
□ 食欲不振
□ 下痢
□ めまい
□ むくみ
□ 重だるさ
□ 頭痛
□ 関節痛
□ 憂鬱感
□ やる気の低下

調子が良くなっていたのに、また崩した…という場合も、気候による一時的な波ととらえ、心配しすぎないで大丈夫。
胃腸を労り、リラックスして小さな秋を探しながら過ごしてくださいね。