保険適用外の漢方薬の強み

STRENGTH OF KAMPO
一般的な病院・薬局で保険診療のもと処方される漢方薬と、
専門的な病院・薬局で出してもらう保険適用外の漢方薬では、
どのように違いがあるのかを解説します。
  • 保険適用の漢方薬
    保険適用の漢方薬
    風邪を引いた時にかかりつけの病院で葛根湯を出してもらったことのある方はいらっしゃるかもしれません。240種類以上ある漢方薬の中のほんの一部の漢方薬については、それぞれの漢方薬に対して保険適用の対象として処方できる病名・症状が決められており、生薬を煎じたエキスを加工し飲みやすくしたエキス剤(粉薬や錠剤など)として、購入しやすい価格で流通しています。そのため、どの病院・薬局へ行っても一定の量と価格の漢方薬を入手でき、手軽に飲むことが出来ます。

    ただ、漢方薬は本来、体力の有無や熱寒の偏りなどの体質と症状によって選定され、同じ病気でも異なる漢方薬が使われたり、逆に異なる病気でも同じ漢方薬が使われることは多分にあるものなので、保険適用内では使用できる漢方薬の種類も病気もかなり制限されてしまいます。そのため体質に合わず副作用が出たり効果が無いと感じられることがあります。またエキス剤は加工する過程で生薬の成分が減ってしまうこともあります。
  • 保険適用外の漢方薬
    保険適用外の漢方薬
    「どのような人にどの漢方薬が合っているのか」ということを、本来の漢方独特の考え方を基に選びます。病名や症状だけではなく、暑がり寒がり・肌や胃腸の具合・お通じや生理の状況、精神面・食事・睡眠などの生活状況、そして舌の状態や顔色・話し方・声色・姿勢など、その人全体を細かく観察・問診し分析・判断することで、240種類以上の漢方薬の中から最適な漢方薬を選ぶので、より効果的で副作用も出にくいです。不妊治療などで活躍する鹿茸や亀板などの動物生薬や霊芝などの生薬を使うこともできます。

    病名にとらわれず応用範囲が広く、表記されている効能効果以外の症状にも効果的な場合も多いです。また同じ漢方薬を続けるとは限らず、経過に合わせて見立て直し、その都度適切な漢方薬を選び直します。粉薬や錠剤もありますが、最も効果的な煎じ薬を調合することが多いです。漢方薬の原料となる生薬は天然のものでとても貴重であり、その品質・効果と安全性を担保されたものが選ばれていることが重要です。