漢方を知る

KNOW KAMPO
「漢方」と聞いて、あなたはまず何を思い浮かべるでしょうか。
どこか「身体に良さそう」なイメージがあるけれど、
東洋医学ならではの取っつきにくさのようなものが、あるのではないでしょうか。
病気との向き合い方
東洋医学は人の身体を全体的にとらえる「バランスと調和の世界」
東洋医学は人の身体を全体的にとらえる「バランスと調和の世界」
西洋医学は、木を見て森を見ずといえるでしょう。

人間の身体には、目、鼻、口、胃、肝臓、腎臓などの器官がありますが、それらをすべて部品としてとらえ、悪いところを治せばよいと考えます。 それに対して東洋医学は、森を見るけれど木のことはわからないという立場をとります。人間は一つの身体として生きていて、すべてシステムとして動いているのだと考えます。したがって、体の一部が悪くなれば、そこを良くするためにシステム全体を改善しようとします。

ニキビの場合でいうと、西洋医学の考え方では、菌が原因なのだから抗菌剤、もしくは枯らすための硫黄入りのローションなどを使います。一方、東洋医学の場合は、バランスと調和をみながら、まずはその人のニキビの原因を探ります。その原因は人によって違いますから、例えば血液の循環が悪いために起こったなら、冷えた身体を温めてあげればいいのだと考えるのです。それが、漢方薬の得意とする体質改善です。そして、ニキビで漢方を飲んでいた方が、結果的にニキビだけでなく生理痛が良くなったり便秘が治ったりします。その人が病気になった原因を探り、その原因を解決するために漢方を使い、予想外のことまで改善できる、それが体質改善であり、漢方の真骨頂でもあります。
人はなぜ病気になるのか?
心・食・動・休・環を整える
心・食・動・休・環を整える
人はなぜ病気になるのかよくよく考えていくと、

1.ストレスや心配事や悩みなど
2.食事の不摂生(食べ過ぎ、偏り等)
3.運動不足
4.睡眠等の休養不足
5.環境の問題


の5つに行き着きます。このことを漢方では、「心・食・動・休・環(しん・しょく・どう・きゅう・かん)」と言います。風邪をひいて大したことがなければ、寝ていれば治ります。それが自然治癒力で、治そうという絶大な力が人間には備わっています。現代のライフスタイルは「心食動休環」の5つのバランスがとりにくく、本来備わっている自然治癒力が低下し、様々なトラブルを引き起こしています。

「心食動休環」を整え、自然治癒力を最大限に発揮させる。それが病気を克服するカギでもあります。丁寧なカウンセリングを通して、病気になった根本的な原因を追究し、心食動休環を整える生活を送ることは「漢方薬」と同じぐらい大切なことです。
整体観
東洋医学の根本原理 「整体観」
東洋医学の根本原理 「整体観」
東洋医学では病気と向き合っていくときの原理原則である「整体観(せいたいかん)」という5つの教えがあります。

1.天人合一(てんじんごういつ)
2.心身一如(しんしんいちじょ)
3.陰陽平衡(いんようへいこう)
4.扶正祛邪(ふせいきょじゃ)
5.先本後標(せんぽんこうひょう)


漢方とは、単に飲むだけのものではなく、このような考え方も含めて「漢方」だと言えます。漢方みず堂では、漢方のプロとして漢方を選定することはもちろん、お客様が本来の健康を取り戻せるようお一人お一人に合わせてお話をさせて頂いております。

漢方生活を始められる際にはぜひご一読ください。
  • 天人合一
    (てんじんごういつ)
    人間も自然界の一部であり、自然とともに生きています。自然はどのようなベクトルを持つのか。それは進化と発展のベクトルであり、プラスのエネルギーを持っています。したがって、マイナスに傾くと病気になり、絶対的にプラスの心を持つことで、病気は良くなるのです。病になっても病気になるな。と自然は教えてくれます。
  • 心身一如
    (しんしんいちじょ)
    心と身体は一つの如しという意味です。いやなことがあってくよくよ悩むと胃の調子が悪くなります。怒ってばかりいると血圧が上がります。心の浮き沈みに身体は呼応しています。「病になっても病気になるな」。気持ちまで病む事はありません。まずは心を元気にしましょうということです。
  • 陰陽平衡
    (いんようへいこう)
    陰と陽のバランスということです。バランスは常に変化をしています。例えて言うなら、良い時もあれば悪い時もある。だから、季節の変わり目にからだの調子が悪くなってもクヨクヨする必要はありません。いずれ良くなると前向きに考えることが大切です。
  • 扶正祛邪
    (ふせいきょじゃ)
    文字の順番がとても大切で、まずは治そうとする力や正そうという力をつけること。それを助けることが一番で、その後で悪いものを取り除くという意味です。傷が自然と治るように人間の体は本来、「正」の力が強ければ多少の邪を払うことができます。
  • 先本後標
    (せんぽんこうひょう)
    これも文字の順番が大切で「先本」とは、まず本質が大切だという意味です。健康の本質は、本来人間が持っている治そうとする力「自然治癒力」です。その自然治癒力を最大限に発揮させること。その後で、病気で言うならば症状を取ることを考えます。