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苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)と苓姜朮甘湯(りょうきょうじゅつかんとう)

苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)と苓姜朮甘湯(りょうきょうじゅつかんとう)

1種類の生薬の違いで使い方が変わる

苓桂朮甘湯と苓姜朮甘湯の中身は3種類は同じ生薬ですが、苓桂朮甘湯には桂皮が、苓姜朮甘湯には乾姜が入ります。どちらも「茯苓・白朮・炙甘草」で体を温め、余計な水を外に出すというのは同じですが、桂皮(シナモン)が入れば上半身の症状に、乾姜(生姜を乾燥して蒸したもの)が入れば下半身の症状に使われます。

漢方薬は一種類の生薬が変わるだけで、こうも使い方が変わります。処方を考えた、2000年前のの人はすごい!

苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)

別名 茯苓桂枝白朮甘草湯とも呼ばれ胃腸を温めて調子を整えて、流れの悪くなった水をおしっこに変えて出します。

金匱要略に「痰飲を病むは、まさに温薬をもってこれを和すべし」と治療法が記載されてます。

利水剤として冷やさない性質を持つ茯苓、白朮を使っていて、炙甘草で胃腸を建て直し気を益す、温める方剤と考えられます。

桂皮が入ることで、のぼせ、動悸、めまい、立ちくらみ、頭痛などの上半身の症状によく使われます。桂皮は血管を拡張して血行をよくして、お腹や下半身を温め、フワフワと上に上がっていってしまった気を引き戻すような働きがあります。

ちょっと応用で胃腸が弱く、冷えもあるような妊婦さんのつわりに使ってよかったこともあります。

苓姜朮甘湯(りょうきょうじゅつかんとう)

別名 茯苓乾姜白朮甘草湯、甘姜苓朮湯、腎著湯とも呼ばれ苓桂朮甘湯の桂皮が乾姜と変わったことにより、身体の中心(胃腸)を温める効果が強くなります。

金匱要略に「身体重く、腰中冷え、水中に坐するがごとく~」と記載があり、”下半身が水に浸かったように冷えている”と言えばこの処方です。具体的には身体が重だるい、足が冷えて痛む、むくみ、腹痛、下痢などに使われます。

苓桂朮甘湯が上半身の症状に良く使われるのに対して、苓姜朮甘湯は下半身の症状に良く使われます。

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