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『 身体の声に耳を澄ましていますか? 』

カテゴリー:漢方コラム
漢方コラム
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それぞれの個性あるコラムをどうぞお楽しみください。
『 身体の声に耳を澄ましていますか? 』

日本には1年を24等分した二十四節気と72等分した七十二候という季節があります。


『「気候」という言葉は、二十四節気の「気」と七十二候の「候」から生まれたもの。日本人は長らく花や鳥、気象など自然の変化を繊細にとらえた旧暦の世界に寄り添って暮らしてきました。草花の小さな息吹や、虫や鳥の鳴き声、吹く風や草の露ひとつにまで、日々移ろう美しい自然に感謝し、季節を慈しむ喜びがあふれています(引用:日本の七十二候)』


このように日本では、気候の変化を機微に感じ取り、環境に合わせて生活を工夫したり、季節ごとの旬のものを食べて養生をするという考えが根付いていたのです。季節の移り変わりがはっきりしている日本では、四季それぞれに身体に受ける影響を考え、対応していたのですね。


現代はどうでしょう?夏は1日中クーラーの中で身体を冷やしすぎたり、寒い冬の時期のスーパーには夏野菜のトマトやキュウリが並んでいたり・・自分自身で知恵を身に付け選んでいかなければ、自分の身体を守ることができなくなっているのだな、とあらためて感じています。人間の身体は日々食べるもので作られていますし、身体の不調も自ら作り出していることも多いのです。夏に冷たいものを取り過ぎた方、胃が重くなったり、なんだか食欲がなかったりしなかったでしょうか?かくいう私も、以前冷たいコーヒーがやめられない時がありました。その時期、不調を感じたときは温かいお風呂にゆっくり浸かって汗を出したり、お腹回りを冷やさないように腹巻きをしたり、時には漢方薬のお世話にもなりました。


中医学(中国漢方)でも、人間の身体も自然界の影響を強く受けていて、自然とのバランスを保つことで健康を維持できるという考えがあり、「五行説」というもので体系的にまとめられています。


この「五行説」を見ると、季節ごとに悪くなりやすい臓器や、季節ごとに意識して摂取しなければいけない食べ物、顔色でどの部分が悪くなっているのか、色んなことが分かるのです。セルフケアにはもって来いですよ。


その「五行説」の中で秋は燥(乾燥)により体調を崩しやすい季節とされています。


日本の場合、エアコンなどの普及によって、この燥(乾燥)の環境は人工的に生み出されていると考えられます。加湿が少ないと、のどが痛くなったり目が乾いたり、皮膚が乾燥してかゆみが出たり・・といったことを経験されたことはないでしょうか?このような環境を「燥邪(そうじゃ)」といい、燥邪の影響を一番受けやすい臓器は「肺」となっています。肺は、鼻やのど、気管支などとつながっているため、呼吸器系の不調に注意が必要です。 そのほか、「大腸」「皮膚」なども燥邪の影響を受けやすく、秋に不調の出やすい臓器とされています。例えば大腸の乾燥による便秘、皮膚の乾燥によるかゆみなどです。便秘になる、というのは意外だと思いませんか?こんなときの便秘は、大腸を潤すことが必要です。 そんな「まさか!」に気づかせてくれるのが「五行説」なのです。頭に入れておくと、自分の身体の声に耳を澄ますことが多くなってくると思います。中医学では、今現在の体調は一つ前の季節の養生によってつくられるものと考えています。そうすると・・・冬の体調は秋の養生によってつくられることになりますね!乾燥対策をしっかり行って、来るべき冬を快適に過ごしていきましょうね。


(杉 真由子)


このコラムは漢方みず堂暦2016年10月号に掲載されたものです。
漢方みず堂暦は毎月1日に発し、漢方みず堂各店舗にて無料で配布しております。
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