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『未来のからだをつくる、今日の食事』

カテゴリー:漢方コラム
漢方コラム
漢方みず堂の漢方専門相談員が漢方にまつわるお話をしています。
それぞれの個性あるコラムをどうぞお楽しみください。
『未来のからだをつくる、今日の食事』

酵素、オイル、スーパーフード…健康や美容に良いという食べ物が沢山、話題にあがっていますね。テレビで取り上げられた食材は、翌日からスーパーで品切れなんてこともよくあります。関心をお持ちの方がそれだけ沢山いるということですね。それは、とても良い事だと思います。なぜなら私達のからだは、食べたものでつくられているからです。


それにしても、TVや雑誌の情報は変化がめまぐるしいですね。話題の食べ物は次から次に登場し、この前まで敬遠されていたものが良いと言われたり、良いと言われて流行るとリスクやデメリットを指摘する人も出てきたり。メディアで「○○に効く」と紹介されると、とても魅力的に感じますが、体も生活スタイルも人それぞれ。合う合わないも考えなければなりません。また、いくら健康に良いと言われる食べ物やサプリメントを摂っても、それだけではからだは作られません。普段どんな食事をしているかが、なにより大事です。


脂肪と糖でできている、こってり料理やスイーツ。忙しい時に便利なインスタント食品や冷凍食品、コンビニ食。時々その恩恵を受けるのは良いですが、毎日続くと体は疲弊しているかもしれません。何かしら不調がある場合は、体に負担がかかっているサインです。食事を変えるだけでも、体調は変わります。私達の体に一番馴染むのは、やっぱり昔ながらの食事。ご飯、お味噌汁、それと少しのおかず。体質は人それぞれといっても、長い年月の中でこの日本の地に適応してきた体。基本は同じです。


主食は「主に人を良くする」もの、体をつくるベースです。日本人は欧米人とは違って、腸が長く穀物の消化に適したつくりになっています。撒けば芽が出る“生命力”を持ったままのもの、未精白の玄米や大麦などがおすすめです。穀物は肉や魚のように毒素を出さずに、きれいな血液をつくります


炭水化物抜きのスタイルがもてはやされていましたが、最近は、お通じ改善やダイエット、糖尿病予防など、穀物の良さが見直されてきています。炭水化物はダイエットや糖尿病の敵なのではなく、その摂り方が問題だったのですね。噛まなくてもカロリーになる甘いもの、精製された白いものではなく、全粒のものをじっくりよく噛んで頂くこと。そうすれば、生きる為の様々な栄養をまるごと摂りながら、不要なものは溜め込まない、良い巡りにつながります。


和食に欠かせないお味噌汁も、良い働きをしてくれます。腸内環境を整える乳酸菌といえばヨーグルトが有名ですが、和食におなじみの色々な発酵食品にも含まれます。味噌、醤油、お酢、納豆、お漬物、これらを作るのは植物性の乳酸菌です。植物性乳酸菌は生命力が強く、生きたまま腸まで届きます。日本人の長い腸をきれいに保つのにぴったりです。長い時間をかけて発酵させ、栄養も吸収しやすさも高まっているお味噌は特におすすめです。人工的に加工して発酵を省略したものも安く出回っていますが、ちゃんと発酵させた生きているお味噌を摂りましょう。


そして、おかずは、暮らす土地で採れた旬のものを。暑い土地でとれたものは体を冷やし、寒い土地のものは体を温め、春に取れたものは解毒を助け、秋の味覚は厳しい冬に備えて栄養が豊富です。自然のパワーを受けて育ったものは、カロリーや栄養素では語れない生きる為の手助けをしてくれます。目新しいもの、劇的な効果のあったものが注目されがちですが、体に負担を掛けず、健やかに生きるエネルギーをくれるのは身近なものばかりです。日本人が昔から食べてきたもの、それが体をつくる一番の食事だと思います。


(児島諒子)


このコラムは漢方みず堂暦2016年8月号に掲載されたものです。
漢方みず堂暦は毎月1日に発し、漢方みず堂各店舗にて無料で配布しております。
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