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『~四季を通じた漢方薬~』

カテゴリー:漢方コラム
漢方コラム
漢方みず堂の漢方専門相談員が漢方にまつわるお話をしています。
それぞれの個性あるコラムをどうぞお楽しみください。
『~四季を通じた漢方薬~』

9月は長月といい、稲刈月から長月と呼ばれた説や夜長月からきた説があったりと、少し涼しくなって過ごし易くなる時期でもありますが、夏の暑さはまだまだ続きますね。


日本には四季があり、季節色とりどり、衣食住が様々変わっていきます。


夏の猛暑は汗を沢山かき、その分水分を沢山取ります。水分が沢山失われるので、食べる物もそれを補給しないといけないので、夏野菜はみずみずしい。旬のものは身体にいいわけです。


秋に入ると、昼間は温かいですが風は冷たくなる。冷たい風に当たると何か寂しく感じます。元気な人は涼しくても、そうでない人は何か哀愁を感じます。体表の気の流れが寒さに当たって重くなり、流れにくくなるんですね。そして冬に備えて栄養たっぷりの食べ物をとっていく。いわゆる食べ過ぎになる時期。


でも寒い冬を越えないといけないので蓄える。そして寒い冬はじっと耐える。身体を冷やさないよう、秋に蓄えたものを少しずつ消費するように過ごす。冬が明け木の芽が芽吹く春になり、自然はめいいっぱい命を開く。


動物(人間)も同じで春に動き出し、冬に溜め込んだものを外に出す。じっと我慢していた気をめいいっぱい身体中に伸ばしていく。そして太陽の下、生きていく為の生活を始める。夏になり動植物は一所懸命に命輝かせる。


自然界の流れに沿って人の身体もいろいろ変化があります。


春先は木の芽時と言って気が伸びる時。伸び過ぎると落ち着きがなくなったり眠れなくなったり、イライラしたりします。また冬に溜め込んだものを排毒するため時にかゆみや湿疹、蕁麻疹が出る人がいます。


この湿疹などは夏にどれだけ汗を出したかで程度が違います。そのため春には抑肝散加陳皮半夏や十味敗毒湯などの漢方薬がよく合います


夏には上記通り水分をとり過ぎるため胃腸が弱り、ひどい時には下痢をしたりします。そのため夏には補中益気湯、清暑益気湯、五苓散などの漢方薬が効果的。


秋には食べ過ぎに、防風通聖散。食中毒や食べ物を解毒する為に香蘇散、寂しさや心の風邪には半夏厚朴湯。そして冬には冷えと栄養不足に対応するため当帰四逆加呉茱萸生姜湯や人参湯、(六味、八味、牛車)腎気丸。


病気でなくとも四季折々の変化に身体がついていかない時はこれらの漢方薬をうまく使っていく。


自然に合わせた生活が、毎日健康でいることの秘訣だと感じます。


(千代樵 豊)


このコラムは漢方みず堂暦2014年9月号に掲載されたものです。
漢方みず堂暦は毎月1日に発し、漢方みず堂各店舗にて無料で配布しております。
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