漢方よもやま話

「神様への贈り物」

カテゴリー:心の栄養
心身一如
心と体は一つという漢方の考えがあります。
体が元気に美しくなるには、心の美しさも必要です。
皆様に本当の意味で元気に美しくなっていただきたいと願い
「心の栄養」になるお話をお送りいたします。
「神様への贈り物」

我が家では毎年春になると、旬の味を求めて妻と近くの山へ山菜採りに出かける。特にこの季節のたらの芽はてんぷらにすると甘くてとても美味しい。


今年も妻とこの味を求めて山に出かけた。ところが、毎年たらの芽が採れる場所では、枝や幹が折られたり、倒されたりして、頂芽だけでなく側芽を含め芽全体がもぎ取られているのだ。旬を味わう楽しみが奪われたというより、人間の身勝手さ、貪欲さに寂しい気持ちになった。その時ふと、私は祖母の話を思い出した。祖母の家の庭に植えてある柿にまつわる話である。


秋になると、真っ赤に熟した柿の実を採るのが小学生の私の役目であった。その折、祖母は柿の木の上のある実のいくつかを必ず残すようにいわれていた。


祖母は「神様への贈り物」と幼い私に説明していたが、それは、鳥たちにも柿の実を残し、生を受けたものが自然の営みのなかで共に生きていくことへの教えであったと今になって思う。残した柿の実は、共生する生命たちへの贈り物なのである。


今年の山菜の収穫はいつもより少なかったが、祖母の姿を思い浮かべ、共生する生命に感謝しながら旬の味覚を家族で味わった。


※こどもに伝えたい「心に響くちょっといいはなし」広島県ホームページより


この文章は漢方みず堂暦2014年3月号に掲載されたものです。
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