河端孝幸の読む漢方

継続する力

NHKのある番組にて

先日NHKで、「“ノーベル賞会社員”~科学技術立国の苦闘~」という番組が放送されていました。
平成のノーベル賞の方たちの功績をたたえる内容と、今の科学技術の予算配分では、日本は科学立国の座から落ちざるを得な状況が浮き彫りにされていました。
ポスドクといわれる将来が約束されていない若い研究者たちの苦悩が明かされ、つい最近ノーベル賞を受賞した本庶氏の、「科学というものは1年や2年で結果が出るものではない。自由にのびのびと研究ができ得る環境があって、そこでイノベーティブに新たな発見ができるもの。科学技術予算を、成果主義の現在の配分ではなく、すそ野を広く厚くするべき」との話もありました。

ノーベル賞会社員、田中氏のその後

そして、博士でもない、一企業の会社員としてノーベル賞を取った田中耕一氏のノーベル賞を取得してから16年の歩みも同時に放映されていました。
田中氏は、現在も与えられた予算の中で、数名の研究者を雇い(もちろん所属する会社が雇っているのでしょうけれども)研究を進めており、最近、権威ある科学雑誌ネイチャーで、認知症における画期的な発見を発表した。と締めくくられていました。
その発見をしたのは3年間という期限付き雇用の若い研究者で、成果を上げなければ生活に困窮するという中で、2年経過したときに発見されたものとのことでした。
かいつまんで話すと、全世界的に多くの研究者がアミロイドβタンパク質の研究をしている中で、別の未知のたんぱく質を田中氏率いる研究者たちが発見し、そのたんぱく質がアミロイドβタンパク質よりも増えると認知症を引き起こすという事を発見したとありました。
田中氏は医学系ではなく、科学系のため、認知症の研究の日本における医学系の第一人者に相談に行き、その未知なるたんぱく質の存在を話したところ、当初はけんもほろろだったようですが、次第に大変な発見という事となり、2018.2月にネイチャーに論文発表したところ、世界的に現在注目されているとのことでした。

2回目のノーベル賞の可能性

2回目のノーベル賞受賞となるとすごいことですね!
実は田中氏は私の1年後輩(もちろん同じ同窓ではありませんが)で、皆さんも記憶にあると思いますが、謙虚で、純朴で、決して飾らず、朴訥と話すその話し方や姿に、正直で、どこにでもいる男性で、親しみやすい感覚を覚えた方も多いと思います。その方がノーベル賞2回目を受賞できるかもしれない研究をしているのは、本当に素晴らしく、勇気を与えてくれるものでもあります。田中氏はその放送の中で、「イノベーションというのは堅苦しく考えるものではない。違うものとの結合や、新しい解釈もイノベーションの意味。したがって、あらゆる可能性がある」と話されていました。
数万種類の組み合わせから、根気良く、あきらめず、コツコツと、来る日も来る日もやり続けること。どんなことでも同じでしょうけれども、このやり続けることができる力というものがどんなことにも通じることだと思うのです。

継続する力

そのためにはまず、何をやりたいのか。どうしたいのか。強く強くそのことを一心に思うこと。その想いの強さによっても継続する力が違ってくるように思います。
次には、そのためにどうあるべきか、自分自身がどうあらねばならないのか。
どのような事でも失敗をすることがあり、もうやめる!絶対嫌だ!と思う瞬間ってありますよね。しかも2度や3度ではない。常に自分はダメだ、できない。そんなことと隣り合わせ。でもその挫折から這い上がり、また歩みだすこと。何度も何度も立ち上がり、また挫折を味わい、また立ち上がる。その繰り返しがあらゆる面で力になるものなのでしょう。
その立ち上がるための、奮い立たせる原動力というものは、再度原点に立ち戻り、何をやりたいのか。どうしたいのかを自分自身に問い、これしかないと思って、また立ち上がり、歩みだすしかないのでしょう。
鬱っぽくなったっていいんじゃないでしょうか。私にも経験があります。うつというのはそれだけ真剣に悩んでいるという事の裏返し。朝が来ない夜はない。そう思って、とことん突き詰めることですね。
皆さんが幸せになりますように。いつも読んでいただきありがとうございます。