症状別 漢方の教え

KAMPO KNOWLEDGE
更新日:2020/10/29 (木)

アレルギー体質、呼吸器が弱い人〜柴苓湯でよくならなかったむくみ〜

30代前半の女性
10年前から、周りにも言われるくらいむくみが気になる。
出産後期は2回とも、「象の足」と言われるくらい足がパンパンになった。
妊娠時や婦人科の検診時には、病院から柴苓湯という水を出しやすくする漢方をもらい、飲んでいる間は良くなるけれども飲むのをやめるとまたむくんでしまう。
体質
花粉症、中耳炎、のど風邪(東洋医学で言ういわゆる「肺系統」のお悩みが多い)
疲れやすい・風邪をひきやすい・のぼせ・冷え性(主に足)・汗かきにくい・肩こり・足の爪がスプーン状・立ちくらみ・横になると目がぐるぐるする・目の疲れ・鼻水鼻づまり・口渇(冷飲)・PMS(眠くなる・食欲増進)
柴苓湯は水出しの処方
柴苓湯は、「五苓散」という水出しの漢方薬がベースになっています。
飲めば体の中から水分が抜けていくのは、ある意味当然のことです。
体質が合う方なら体質改善の漢方として使われますが、この方の場合、体質は典型的な気虚・血虚というエネルギーや潤いの不足があり、それがむくみの根本の原因でした。
また、生まれながらの「肺」の弱さもむくみに拍車をかけていたため、肺を強くすることも重要。

むくみを繰り返さないため、根本から体質を改善していくためには気虚・血虚を改善し、肺を強くする「気血双補剤」が良いとご説明しました。
使ったのは、添付文書に「むくみ」とは一切書かれていない薬。
むしろ「むくみのある人は使用の際に医師・薬剤師に相談すること」と書かれています。
添付文書を元に考える病院では、おそらくむくみには使用されない薬。
水出しの漢方である柴苓湯よりも効果は遅いかもしれませんが、と補足してのスタートになりました。
経過〜予想外に早い効果〜
このお客様は実は鍼灸師の方で、普段から東洋の知恵で身体のめぐりがとても良かったのもあり、プラス漢方薬で身体の中から補ってあげることで予想外に効き目はすぐに現れました。
飲み始めて2週間のあたりからむくみが軽くなり、それだけでなく花粉症ものど枯れもとても楽になってきたと、実感されていました。
まだまだ改善途中ですのでこれからが大切ですが、鍼灸と漢方のダブルの力できっと良くなります!応援しています。
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