症状別 漢方の教え

KAMPO KNOWLEDGE
更新日:2020/01/16 (木)

後鼻漏(こうびろう)には体質改善!

60代の小柄な女性

2年程前から「後鼻漏」にお悩みとのことでした。

ある病院ではアレルギーと言われ、ある病院では蓄膿症と言われ、鼻炎の市販薬を飲んで何とかしのいでいましたが、市販薬を飲むととても口が渇く状態でした。

ご主人様を亡くされてから不眠やめまい・自律神経系の症状があり、更年期や直腸がんも経験されていました。長い間とてもご不安な時期を過ごされたことだと思います。

体質としてはヒノキ・ハウスダスト・ダニのアレルギー、暑がり、のぼせ(足)、汗かき、寝汗(首回りのみ)、たまに腰痛(コルセット使用)、皮膚乾燥、目の下くま、あざできやすい、爪たて線、頭痛、めまい、目の疲れ乾燥、口苦い、つかえる感じ、口内炎、夜空咳、黄色い痰、鼻水は白っぽい、食欲は多め、ゲップ、軟便、夜間尿と色々と気になることがありました。

近年増えている後鼻漏

後鼻漏とは鼻水が喉のほうにおりてきて、へばりついて気持ち悪かったり、咳が出たりします。口臭の原因になることもあります。

普通の人でも鼻水は喉におりてきているのですが、副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎の方は鼻水が粘性をもつため、大変不快になります。この状態を後鼻漏と言って、近年は鼻炎の方の増加に比例して多くなっています。

子供の咳が続く時に、咳止めではなく鼻水の薬で咳が収まることが多々あります。子供は鼻から喉へ鼻水が流れやすい角度になっているので、後鼻漏になりやすいです。

病院では抗アレルギー薬で症状を抑える治療が主になりますので、やはり慢性的なアレルギー症状の改善には根本的な漢方での体質改善がおすすめです。

まずは水毒の改善から

アレルギー症状の根本的な原因は、身体の中に余分な水が溜まってしまう「水毒」です。まずはこの溜まった水を出し、自分自身の免疫力を高める漢方薬を飲んでいただきました。

飲み始めは、漢方の味が大好きで、これを飲むと、不思議と気持ちが落ち着きます!とのこと。1か月後には後鼻漏の症状は少なくなり、痰の量や口渇も少なくなられました。

2か月後には、鼻症状はほとんど改善。漢方薬も水毒だけではなく、全身状態を立て直し元気にしていくものに切り替えました。

その後、波はありましたが、6か月後には、鼻症状はひとまず大丈夫!そして、いつまでも薬に頼らないで治していきたいと、日頃の養生を実践され、漢方薬も自然治癒力を高めていく上薬に絞って続けていらっしゃいます。

「今は少し不調があっても、クヨクヨ悩んだり、不安に思ったりはしなくなりました。だって何かあったら、漢方みず堂さんに行けば良いから」と笑顔でお話して下さいます。「大丈夫!」と思える心が、何よりも心身の健康に役立っていると感じます。お元気になられて良かったです!

この記事を読んでいる方は、以下の記事も読んでいます