生理周期が長い!稀発月経の漢方

生理周期が長い!稀発月経の漢方

生理周期が長い!稀発月経の漢方

生理周期が長いという場合、無月経と違って全く生理がないわけではないため放置する方が多いようです。
どんな病気でも、慢性化すればするほどこじれてしまいます。
漢方は体質を改善し、自分できちんと排卵し、定期的に生理が来るようにしていきます。

また根本的な原因を解決しますので、稀発月経が解消されるだけでなく、生理痛や冷え性、肌荒れ、ストレスによる胃腸の不調などその他のお悩みも同時に解消されるのが漢方の魅力です。

あなたはどのタイプ?症状チェック

分類冷えタイプ虚弱タイプストレスタイプ
原因外から冷やされて起きる自分自身の温める力が弱い

胃腸虚弱

ストレスや過緊張
症状□経血量が少ない
□経血の色は暗く、血塊が混じる
□下腹部が冷えて痛く、痛みは温めると軽減する
□経血量が少ない
□経血の色は淡く、血塊はなくさらっとしている
□下腹部痛は軽度、痛みは温めたりさすったりすると軽減する
□腰がだるく脱力感がある
□経血量が少ない
□経血の色は暗く、小血塊が混じる
□下腹部が張る
□生理時に胸が張って痛む
代表処方温経湯十全大補湯
八味地黄丸
鹿茸
芎帰調血飲第一加減
加味逍遙散

 

冷えタイプ

□経血量が少ない
□経血の色は暗く血塊が混じる
□下腹部が冷えて痛く、痛みは温めると軽減する

冷える生活習慣が最大の原因です。
温める力はあるものの、それ以上に外部からの冷えが勝っているような状態です。
冷えるとあらゆる液体は固まるように、血液と冷えが結びつき血行不良を起こします。
そのため、充分な量の血液が巡りにくくなり経血量が少なくなります。
また血液は液体ですので、冷えると固まりやすく、その結果血塊が混じりやすくなります。
漢方薬は、中に入り込んでいる冷えを取り除く温経湯(うんけいとう)などを使用します。
身体を冷やすものや、お菓子を控えることも体質改善に繋がります。

虚弱タイプ

□経血量が少ない
経血の色は淡く、血塊はなくさらっとしている
□下腹部痛は軽度、もしくは引きつるような痛み。痛みは温めたりさすったりすると軽減する
□腰がだるく脱力感がある

生まれながらに生殖機能が弱い、もしくは胃腸が虚弱で気血が不足するタイプです。
胃腸では飲食物から体のエネルギーである「気」や栄養分である「血」を作っています。
したがって、胃腸が弱ると「気」や「血」が不足し、経血量が少なくなり薄くさらっとします。
「血」が不足するとどうなるでしょうか?
川をイメージしてください。
水が多い川と、水が少ない川。後者の方が流れがゆっくりですよね?
血が不足すると血の流れがゆっくりになります。
また、血液は温かいものです。そのため不足すると冷えやすくなりますし、そもそも液体ですので不足することにより身体が乾燥しやすくもなります。
引きつる痛みとは、身体の潤い不足からくる攣り(つり)のことです。
足が攣るなどと同義で、それが下半身で起きているような状態です。

虚弱タイプの漢方薬

冷えよりも消耗(肌の乾燥、疲れなど)の方が酷い、胃腸が弱い
→十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)

初潮が遅かった、下半身の冷え、髪が薄い、頻尿
→八味地黄丸(はちみじおうがん)

低体温、冷えが酷い場合に他の処方と併用すると◎
→動物生薬の鹿茸(ろくじょう)

虚弱タイプの生活養生ワンポイント

【おすすめの食べ物】
○体を温め滋養するもの、黒いもの、種子類
黒米、黒胡麻、黒豆、栗、くるみ、なた豆、さつま芋、鯵、ラム肉、エビ、ししゃも、海藻、ブルーベリー、醤油、味噌

⚪︎お腹を温めるもの、消化しやすく栄養になるもの
黒米、もち米、山芋、生姜、かぼちゃ、蕪、ほうれん草、白菜、鯛、鮭、鶏肉、舞茸、うずら卵、林檎、ハチミツ、味噌

⚪︎薬膳食材
枸杞子、銀杏、松の実、黒胡麻、ユリネ、丁子(クローブ)

【避けた方が良い食べ物】
冷たいもの、甘いもの、乳製品、過剰の水分、過剰のタンパク質

ストレスタイプ

□経血量が少ない
□経血の色は暗く、小さな血塊が混じる
□下腹部が張る
□生理時に胸が張って痛む

ストレスによる過緊張が慢性的に続き、体の巡りが悪くなっています。
ストレスは「気」の巡りを悪くします。
イライラしたり、やる気が起きなかったり、下腹部が張ったり、というのは気の巡りが悪い証拠です。
気とは体全体のエネルギーのことで、体の中の「血」や「水」を巡らせる動力源でもあるので、気が滞る事で血も滞ってしまいます。
ですので、気の停滞により血が巡らず供給が不安定になるため、経血量が少なくなります。
また気や血の詰りにより、張って痛むというのがストレスタイプの特徴です。

ストレスタイプの漢方薬

肌の乾燥、経血量の減少、下腹部の張り
→芎帰調血飲第一加減(きゅうきちょうけついんだいいちかげん)

ストレスが多い、便秘・下痢交互、周期が長くなったり短くなったりする
→加味逍遙散(かみしょうようさん)

ストレスタイプの生活養生ワンポイント

【おすすめの食べ物】
○香りがあるもの、血をつくるもの、血流を良くするもの
ニラ、ねぎ、チンゲン菜、菜の花、ブロッコリー、セロリ、アボカド、桃、えび、うなぎ、ワイン
⚪︎薬膳食材
高麗人参、桂皮、紅花、金針菜、艾葉(よもぎ)、ウイキョウ、陳皮

【避けた方が良い食べ物】
肉、油もの、冷たいもの、お菓子、インスタント

【生活面】
ストレスには呼吸法がとても効果的です。
腹式呼吸を意識しましょう。特に息をゆっくり吐くことを意識しましょう。

卵巣摘出後の生理不順が漢方で整った例

【お客様背景】

✔︎45歳女性
✔︎40歳の時に卵巣を片方摘出
✔︎卵巣摘出後、経血量が減り、2年前から生理が来ない月が出始めた
✔︎病院でホルモン剤出されるも、だらだら続き、やめると生理がこない
✔︎1年前からホルモン剤をやめ、最近毎月生理が来るようになったが、量が少ない
✔︎貧血
✔︎皮膚の乾燥
✔︎肩首背中のこり
✔︎下半身の冷え
✔︎夕方足のむくみ
✔︎膨満感
✔︎便秘
✔︎血塊あり
✔︎仕事がハードでストレス多い
✔︎体がとても疲れている

【漢方的解説】

卵巣は2つあり、排卵は通常1つなので、毎月どちらかの卵巣から排卵されます。一説によると、若いころはそれがだいたい左右交互のことが多いが、年齢を重ねるとランダムになると言われています。

卵巣を一つとっても、毎月残りの1つの卵巣から排卵されれば、毎月生理があります。もちろん、2つあったものが1つになり、その分休むことがないため負担がかかるのは否めません。そうすることで卵巣機能が落ちることもありますし、年齢と共に機能が低下するのも自然な流れです。

その一方、卵巣機能というのは非常に複雑です。卵巣からは2種類のホルモンが出ますが、その司令塔は脳の視床下部で、さらにその仲介を脳下垂体が担っています。脳の視床下部はストレスの影響を大変受けやすく、ストレスによる生理不順はこの視床下部の問題です。

今回の方の大きな問題は2つ。
①非常にストレスの強い生活をしている
上記で解説した「ストレスタイプ」です。
ストレスにより、漢方で体全体のエネルギーである「気」の巡りが悪くなり、肩・首・背中のこり、膨満感、便秘などが出ている状態。気を消耗して、大変疲れやすくもなっていました。

②卵巣を1つ摘出している
上記で解説した「虚弱タイプ」です。
今回の方は生まれつきや胃腸が弱いということではなく、元々2つあったものを摘出していますので、どうしても卵巣機能が落ちます。卵巣機能自体を高める必要があります。
下半身の冷えや夕方のむくみも漢方的に「腎」の衰えで起きます。
腎とは生殖機能・泌尿器全般のことで、年齢と共に消耗します。そこに卵巣を一つ摘出していますので、どうしても腎の消耗は大きくなっている状態です。

【経過】

①と②の改善のための漢方の煎じを始められ次の日に生理が来て、早速その量が多くビックリされていました。
さらに今までは体がズッシリ重たく感じていたのが取れてきて体調が良くなっていくのを実感されたそうです。
その後は生理も安定され順調に続いています。

【ホルモン剤の弊害について】
生理不順で病院に行けばホルモン剤が出されます。無月経が長く続くと子宮が委縮してしまうため、緊急的に生理を起こさせることも時には必要です。

一方で女性ホルモン剤は副作用もあり、特に血栓ができやすい=血がドロドロになりやすいという弊害があります。

今回の方も卵巣を摘出しなければならなかったことや、血塊があるため、根本的には瘀血(おけつ)=血の巡りが悪い体質です。

ホルモン剤を服用することは瘀血体質に拍車をかけることになりますので、ホルモン剤を辞めたことは賢明な選択だったと思います。
ぜひ根本的な体質改善の漢方薬をおすすめします。

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