症状別 漢方の教え

KAMPO KNOWLEDGE
更新日:2019/12/27 (金)

茴香(ういきょう)/フェンネル

茴香とは

別名が小茴香、フェンネルとも言われています。
茴香は高さが2mに達する大型の多年草で、葉は羽状に細かく分かれ、5~6月頃になると黄色の小さな花を多数つけます。
植物全体が香り高く、主に香辛料としてよく使われています。
中国では4世紀~5世紀に西域から伝わり、腐った魚肉に混ぜると香気を回復することから「回香」と呼ばれたのが茴香の語源です。

茴香の働き

漢方では散寒薬として体内の冷えや冷えによる症状を改善する働きがあります。
身体全体を温めることで冷えからくる嘔吐や胸やけ、食欲不振、腹痛に。
また、芳香性がストレスを発散し、停滞した胃腸の働きを活発にして胃痛を和らげる働きがあります。
茴香を含んだ漢方に安中散があります。
例えば、冷たい飲み物でお腹が冷えた時等に用いられています。
安中散は温める処方のため、胃熱には使用しません。例えば飲酒すると胃に湿熱をこもらせて、不快感を生じさせ二日酔いになります。このような場合には逆に胃の熱を冷ます半夏瀉心湯などを用います。

茴香の利用

一般的にはカレーの香辛料として。肉・魚の臭みを取るため肉・魚料理に。
また、インドでの食事の後に口の中をさっぱりさせる働きがあるので口直しに使われます。
日本で言うなら、焼き肉を食べた後に出される、ガムや飴のようなものです。
カレー料理店に行くと口臭予防に置いてあることがあります。
ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。