症状別 漢方の教え

KAMPO KNOWLEDGE
更新日:2021/10/09 (土)

便秘

漢方的な便秘の原因
便秘の原因には遺伝による疾患、大腸がん、器質的な問題、薬の副作用、精神的な影響などがありますが、漢方的な便秘の原因は、大きく6つに分類されます。
(1)熱結
熱が大腸に生じると、腸が乾燥して便秘になります。

発熱、顔面紅潮、口渇、にきびなどの症状を伴うことが多く、もともと陽性体質の人や、風邪、飲酒、辛いものや油っぽい物の取りすぎなどで熱を生じます。
代表的な漢方薬
大黄甘草湯、大承気湯、防風通聖散、桃核承気湯、三黄瀉心湯、茵蔯蒿湯など
 
(2)気滞
ストレス、緊張、旅行などの環境の変化で、肝気がうっ結することにより、胃気が停滞して下降しないために便秘をします。

また、大腸と肺は表裏関係にあるため、せき、喘息によって大腸の気が停滞することでも便秘になります。
代表的な漢方薬
通導散、大柴胡湯、柴胡加竜骨牡蛎湯、女神散、加味逍遙散など
 
(3)気虚
脾の気虚により、腸の蠕動運動が弱まります。

津液を全身に巡らせることができなくなり、大腸の潤いがなくなることでも便秘になります。
代表的な漢方薬
六君子湯、補中益気湯など
 
(4)陽虚
動を主る陽気が不足すると、腸の蠕動運動が弱まり排便困難となります。

また、腎の陽が不足し、寒が腸に停滞することでも便秘になります。
代表的な漢方薬
人参湯、八味地黄丸、牛車腎気丸など
 
(5)血虚
滋潤作用をもつ血が不足し、腸が乾燥することで便秘になります。
代表的な漢方薬
潤腸湯、当帰芍薬散など
 
(6)陰虚
全身の陰液の不足により、腸に潤いがなくなり便が硬くなります。
代表的な漢方薬
麻子仁丸、小建中湯、黄耆建中湯など
 
『便秘』を根本から改善するには、漢方薬を
「便秘で、お腹が張る。」
「下剤を使うと腹痛や下痢になり、使いたくない。」
など便秘でお悩みの方には、自然なお通じが出るように体質改善していく漢方薬がおすすめです。


便秘は、『肥満・腹痛・自律神経の乱れ・肌荒れ・頭痛・肩こり・不安・イライラ』のような症状の原因となる場合もあります。
便は老廃物そのもの。代謝の乱れに限らず、全身の色々なところに悪影響を及ぼすのは言うまでもありません。


漢方みず堂にご来店いただくお客様の中には、長年ずっと下剤が手放せなかったという方が、漢方で体質改善をすることで、自然なお通じが出るようになったという方が多くいらっしゃいます。
また、下剤が合わないという方でも、自然なお通じが出るようになっていきます。


漢方相談では、まずはなぜ便秘を繰り返しているのか、体の中でどういうことが起こっているのかを漢方的に紐解き、お一人お一人に最適な処方を選んでいきます。

そして、そもそも体のバランスが乱れる原因は、心・食事・運動・休養・環境の乱れ。
漢方薬を飲むとともにこれらを見直していくことで、自分の良くなる力をより発揮できるようになり改善への大きな後押しとなります。

便秘でお悩みの方は、ぜひ一度漢方みず堂にご相談くださいませ。
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