症状別 漢方の教え

KAMPO KNOWLEDGE
更新日:2021/10/11 (月)

胃腸が元気になる秋は…

カラッとした秋晴れが続く今日この頃、食欲が増えてはいませんか?
この時期は、梅雨から夏に弱くなった胃腸が元気に回復していく時期です。

漢方では食べ物を消化・吸収しエネルギーや栄養分を作り、全身へ巡らせる働きをするところを「脾」と呼びます。まさに胃腸の働きのことです。
そしてこの脾は、余分な湿気がたまると弱り、その反対に乾燥すると元気になります。
「食欲の秋」と言いますが、穀物や山菜、キノコ、果物が豊富に実る季節、というのはもちろん、胃腸が元気になり収穫した食べ物を美味しく頂ける、という意味合いも含まれているのでは?と感じています。

脾が弱っていた方

湿度の高い梅雨から夏に、
□ 食欲が落ちていた
□ 食べても太れなかった
□ むくみが気になった
□ 下痢や軟便が多かった
などでお悩みだった方はこの時期、調子を取り戻しやすくなります。
もちろん調子に乗って食べ過ぎると、やはり脾に負担をかけてしまうのでご注意を。
腹八分目で、旬の食材を美味しくバランスよく食べましょう。温かいものを中心に。
もし下痢や軟便が慢性化しているようであれば、脾を整える漢方薬を一時的に使って早めに立て直しましょう。これからの季節を快適に迎えられますように。

脾の活躍でダイエット!

生活習慣病や肥満でお悩みの方は、この時期に食事と身体のバランスを見直すことで、効果的にダイエットすることができます。
脾がしっかり働くということは、
● 身体を機能させるエネルギーや栄養分が十分に行き渡る
● 身体の機能(代謝)が上がる
● 不要なものをため込まずに外へ排泄しやすくなる
ということ。
そう、脾が元気になる秋はダイエットに最適なんです!
冬になると、身体は冬を耐え春を迎えるためにエネルギーや栄養分をため込みます。クリスマスやお正月などで会食も増える季節ですね。
「自粛生活で太ってしまった」
「健康診断が心配」
「体重が増えて足腰への負担が気になる」
「いつも冬になると太るのをどうにかしたい」
などでお困りの方は、今のうちに気になる体重や脂肪をスッキリさせたいですね!
ついつい食べ過ぎてしまいやすい季節ですが、少し先の未来のなりたい姿を思い浮かべて、一歩踏み出しましょう!
➤【食べ過ぎてしまう方へ】

アレルギー体質、咳・喘息、皮膚病でお悩みの方

喘息やアトピー、鼻炎などのアレルギー体質の方や、風邪を引きやすい方の中には、脾が弱っていることが原因となっている場合もあります。脾で作られたエネルギーや栄養は、呼吸器や皮膚の機能を主る「肺」を働かせる原動力にもなっているため、脾が弱ると肺の機能も弱ってしまうからなんです。
そして乾燥する秋は肺にとって最も苦手な季節。乾燥には弱いのです。元気な人の喉や、鼻や皮膚には適度に潤いがありますが、この潤いが肺には好条件。
呼吸器系や皮膚のお悩みのある方は、脾を立て直し肺を潤すこともお悩みの解決に繋がるかもしれません。
➤【脾・肺を守る養生】

脾・腎を守って冬支度

脾で作られたエネルギーや栄養分は、生命エネルギーの源である「腎」へと送られ蓄えられます。
「腎」は成長・発育や妊娠、加齢に関わる働きをします。寒さには弱いので冬は特に苦手です。腎の衰えは冷えやむくみ、腰痛、足腰のだるさ、頻尿、耳鳴り、健忘、不妊などに繋がります。
脾を元気に保ち腎を助けることが、冬を元気に過ごすために今できる養生のひとつです。
➤【脾・腎を守る養生】