症状別 漢方の教え

KAMPO KNOWLEDGE
更新日:2022/06/14 (火)

【夏のカラダ】

夏は、自然界においても人間の身体においても陽気(エネルギー)が増す季節。

例えば自然界では、太陽がサンサンと力強く照り付け、気温は高まり、植物は茎や蔓をぐんぐん伸ばし、葉を茂らせます。虫たちも活発に飛び回ります。

人間もレジャーやお祭りに参加するなど活動的になりますが、身体の機能としては、気・血・津液のめぐりが盛んに。体温が上がり全身の血流量が増えます。
夏に起こりやすい不調は?
上半身の熱
陽気は、暖かい空気がふわ~っと上がっていく現象と同様に、上に昇る性質があります。そのため、頭部から上半身に熱を帯びやすく、のぼせや口内炎、のどの渇き、不眠などが起こりやすくなります。血流量が増えることで心臓に負担がかかり、動悸を感じる方も。
不自然な汗
体内の熱を発散させようと、発汗も増えます。中医学で「汗は心(しん)の液」と言われ、心(心臓)の働きにより血・津液から汗が作られ、体表面の衛気(気の一種)により発汗の調節が行われます。発汗は正常な生理現象ですが、あまりにダラダラと大量な汗が出続けたり、逆に汗が気持ちよく出にくい場合は、熱中症に繋がります。
高温多湿による影響
日本の夏は暑さに加え、湿気が多いのも特徴。湿気と熱が合体した「湿熱(しつねつ)」による不調も見られます。例えば、湿疹や痒み、吹き出物、脂漏性皮膚炎、膀胱炎、べとつくような汗や排便など。いわゆる夏バテのような、食欲低下や重だるさ、倦怠感などもみられます。


上に挙げたような症状は、もともとの体質や生活習慣、環境などによって現れやすくなります。

夏はどこに負担がかかりやすいのかを知っておくことで、身体の声を聴きながら、夏を存分に楽しみましょう!

夏の過ごし方


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