あなたは「沼」という料理を知っていますか?
沼とは10合炊き炊飯器に食材を入れておくだけでできるお手軽ダイエット食の名前です。
名前からは想像できないかもしれませんが、作ってみると簡単、美味しい、食べ応えもあるというダイエットにもってこいの食事です。
今回は「沼」の持つ魅力や使われる食材から見る栄養のバランスについてお伝えしようと思います。
ダイエット食についてお悩みの方は、これからの食事に沼という選択肢を取り入れてみてください。
また今回は薬膳師の資格を持つ弊社の社員が独自の沼レシピを公開しています。
気になる方はこちらを参考に作ってみてください!
「沼」とは
ボディビルダーのYouTubeチャンネル「マッスルグリル」のシャイニー薊さんが考案した究極の減量食です。
名前の由来は、作った後の見た目が沼のように見える為です。
見た目についてはお世辞にも良いとは言えませんが、その点を除けばメリットがたくさんあるメニューです。
調理に使う手間の少なさ、道具の少なさ、食事のメニューを考える必要がなくなるなど忙しい方にはもってこいの減量食と言えると思います。
実際に食べてみると、味付けもしっかりしており、うまみ成分が出る食材も入っているので美味しいと感じる事が出来ます。
本家の沼の動画です。
「沼」のレシピ
◯材料
米 272g(約2合)
ワカメ おもむろに(本家では1つかみ程度)
干ししいたけ おもむろに(本家では1つかみ程度)
カレー粉 おもむろに(大さじ2くらい)
水 1.8~2リットル程度
おくら 10本
鶏むね肉672g(皮は取り除いて、切らずにそのまま入れるのがポイント)
◯調理方法
1.測った米を10合炊きの炊飯器に入れる
2.わかめを1つかみ入れる
3.しいたけを1つかみ入れる
4.おくらを10本入れる(ヘタは切らなくても無くなるのでOK)
5.水を1.8~2リットル入れる(水分量が多い事が重要なのでしっかり入れる)
6.皮を取り除いた鶏肉をそのまま入れる
7.カレー粉を大さじ2杯入れる
8.1時間半程炊飯した後、6~8時間保温する。
このレシピは総カロリーが1800kcalになるようになっています。
出来上がったものを一日4回に分けて食べればOKです。
女性の方や体重の少ない方は米の量や鶏肉の量を少なくして調節してください。
それ以外の食材はカロリー計算には入れなくて大丈夫なのでお好みで調節してください。
脂質が含まれていないので、ゆで卵を食べることで栄養バランスを整えるなど工夫しても良いかもしれません。
水分量が多く、食べやすいという特徴の他にうまみ成分が鶏肉やシイタケやワカメからでるので美味しく食べることが出来ます。
手間やコストを考えると非常にダイエットには効率の良いメニューです。
「沼」に使われる食材
沼に使われる食材は、それぞれが大切な栄養成分をもっています。
糖質とたんぱく質、ビタミンも摂取できるので沼を食べるだけで栄養バランスも問題ないと言っても過言ではありません。
栄養だけではなく、ダイエット中に気になる空腹感をあまり感じさせないようにしてくれるのも沼に含まれる食材と大量の水分の働きです。
それぞれの食材のもつ働きを解説していきます。
米
米は炭水化物で、食べると効率よくエネルギーになってくれます。
しかし、食べ過ぎると太る原因にもなるので注意が必要です。
沼の場合は、大量の水分を含んでいるので米がおかゆのような状態になります。
水分を多く含むことで腹持ちが良くなり、食事をして口の中がパサついて食べにくいという事が起こりにくいこともメリットの1つです。
ダイエットをする為に運動をしている方には必ず体を動かすためのエネルギーが必要になりますので、米は沼には欠かせない食材の1つになります。
わかめ
わかめは、低カロリーですが含まれている栄養成分にはむくみ予防になるカリウムや便通を良くしてくれるマグネシウムといったミネラルや、糖質や脂質の代謝に使われるビタミンB群も含まれます。
また、食物繊維も多く含まれるので、腸に溜まった便を出してくれる効果もあります。
うまみ成分として、昆布にも含まれるグルタミン酸が含まれているので、沼のうま味成分としても活躍してくれます。
しいたけ
しいたけも低カロリーで、食物繊維を多く含んでいるので整腸作用があります。
また、ビタミンDも多く含んでいるのでカルシウムの吸収を助けてくれて骨を丈夫にしてくれています。
うま味成分としてグアニル酸が含まれています。
グアニル酸はわかめに含まれるグルタミン酸と組み合わせることで、うま味の相乗効果が期待できます。
ビタミンDとグアニル酸は干ししいたけに多く含まれるので、生ではなく干しシイタケを使う事がポイントです。
オクラ
オクラには、カリウムやマグネシウムが多く含まれているのでわかめと同じようにむくみをとってくれたり便通を良くする作用をもち、ガラクタン、アラバン、ペクチンといった食物繊維を含んでいるので整腸作用もあります。
その他にも疲労回復効果があるビタミンB1や、抗酸化作用をもつビタミンCも含まれています。
オクラは炊飯器で炊くことで非常に柔らかくなるのでおすすめの食材です。
鶏むね肉
運動をしながらダイエットをする為にはたんぱく質の摂取は必須になってきます。
鶏むね肉は、低カロリーで脂質も少ないけどたんぱく質はしっかりとれるという筋肉を保ちながらキレイに痩せるためにはもってこいの食材です。
更に値段も安いので沼を食べながらのダイエットを長く続ける際にも、お財布にやさしいです。
食感がパサパサするのが苦手な方でも、沼に入っている鶏むね肉は繊維状になっているので食べやすくなっています。
「沼」のメリット
沼がなぜこんなに話題になっているかというと、続ける事がそんなに辛くないという点だと思います。
食事に気を付けてダイエットをする時に辛いのは、空腹感を感じることや何を食べたら良いか考えるのがわからないことではないでしょうか?
このような点をすべて解決してくれる沼のメリットについてまとめてみます。
簡単に作れる
沼は、調理過程がとても少なく炊飯器に食材を入れて放置するだけで出来上がるので簡単に作れます。
忙しい方でも夜に食材を炊飯器に入れておくだけで朝出来上がっているというのは魅力的なのではないでしょうか?
水分も多く摂取できる
沼は、カレー味のおかゆという表現をされることがあります。
水分が多く含まれているので、カロリーは低いけど食べ応えはしっかりあるという点が沼の特徴です。
水分量が多いので、消化が良くて胃腸にも負担をかけにくいというメリットもあります。
低カロリーで腹持ちがいい
沼は使っている食材に低カロリーなものが多く、水分量が多いので食べ応えがあります。
水分ばかりのおかゆだとすぐにお腹がすいてしまいますが、わかめ、しいたけ、オクラに含まれる食物繊維が腹持ちの良さをプラスしてくれるので空腹感で辛くなることは少ないです。
栄養バランスが非常に良い
沼のカロリーのバランスは、ダイエットの際に抑えたい脂質を少なくして、筋肉を作るのに必要なたんぱく質は多く、エネルギーとして必要な糖質は、一日に必要なカロリーの量を補えるだけの量というバランスになっています。
また沼に含まれる食材にはビタミンやミネラルも含まれますので栄養バランスも良いです。
必要なカロリーの量は人によって異なりますが、カロリー調節も米と鶏むね肉の量を調節するだけで良いという手軽さもあります。
カロリーの計算はこのサイトでも用いている、カロリーSlismがわかりやすくオススメです!
洗い物が非常に少ない
食事を作った時に面倒な洗い物が少ないという点も沼のメリットです。
調理する際に包丁も使わないので、洗うものは炊飯器の内釜と、お玉、盛り付けに使う器、スプーンくらいです。
洗い物に使う時間を短縮した分それ以外の事に時間を使えるので忙しい方にもピッタリです。
「沼」のデメリット
沼は、続ける手軽さがある反面デメリットもあります。
特に食事が楽しみで生きているという方には1日4回同じ物を食べるというのは辛いこともあるかもしれません。
こちらでは沼のデメリットについてもお伝えしていこうと思います。
見た目がよくない
沼は、名前の通り見た目が緑色の形のないドロドロの食べ物です。
初めて見る人は何を食べているのか分からないような見た目をしていますので、
持ち運んで外で食べるときにはちょっと人目が気になることがあるかもしれません。
味がワンパターンで飽きやすい
沼は、うま味があって食べやすいですが味はいつでも同じ味になります。
カレー味の沼をずっと食べていると飽きてしまうという方もいると思うので、
開発者のシャイニー薊さんがトマト味の「マグマ」や白だしベースの「セメント」といった料理も紹介しているので、飽きないように食事のローテーションに入れてみてください。
ダイエットは長期的に続ける必要があるので同じ食事で飽きてしまわないように工夫することも大切です。
「マグマ」の作り方の動画
「セメント」の作り方の動画
漢方薬剤師のオリジナル改良「沼」レシピ公開
本物の沼は10合炊きの炊飯器が必要であったり、ボディビルダーの方の減量飯ということでカロリー設定が1800キロカロリーであったりとなかなか真似しにくい面があります。
10合だきの炊飯器を持っている家庭も少ないでしょうし、普通の炊飯器で炊くと溢れてしまったり、そもそも炊飯ボタンを押せなかったりします。
そこで最後に3(5)合炊き炊飯器でもできる!マクロビ沼のアレンジバージョンも載せておきます。
マクロビとは?
マクロビとはマクロビオティックの略で、玄米、全粒粉を主食とし、主に豆類、野菜、海草類、塩から組み立てられた食事法のことです。
日本で発展した菜食主義の一種で、具体的にどのようなルールがあるのかご紹介します。
・動物性のもの(肉、大型の魚、卵、乳製品など)は食べません。
※ただし卵は一部病気などの回復食として食べることもあります。
・主食は玄米や全粒粉の穀物を食べます。
・無農薬・自然農法の穀物や野菜を中心とした食事にします。
・おかずを食べすぎず、食事の5割は主食の穀物(玄米・全粒粉)を食べます。
・野菜はその土地、その季節にとれるものを食べます。(=身土不二)
・皮・根・種なども全て食べます。(=一物全体)
・白砂糖は使いません。
・体を緩めるもの・冷やすもの(=陰性)、体を締めるもの・温めるもの(=陽性)という分け方で、暑い季節は陰性のものを食べる、寒い季節は陽性のものを食べる、という陰陽のバランスを大切にします。(=陰陽調和)
特に大切になる3つのキーワードは、
「身土不二(しんどふじ)」「陰陽調和(いんようちょうわ)」「一物全体(いちもつぜんたい)」です。
トムクルーズやマドンナなどが健康のためにマクロビを取り入れていることから世界的に有名な食事法ですが、元々農耕民族だった日本人にはとてもマッチする食事法だと言えます。
特に欧米食が日本に入ってきてから発生するようになったアレルギーや生活習慣病、アトピーなどでお困りの方には、マクロビをおすすめします。
オリジナル「沼」レシピ
本家の沼には鶏肉が大量に入っています。
ボディビルダーにとって、タンパク質は非常に重要なので、
それだけ入っているのですが、一般的な日本人にとってこれほどのたんぱく質は必要ありません。
今回のレシピは本家沼がたんぱく量約150gのところ、一般的な日本人女性の1日のたんぱく質摂取量が50g程度のため、約50gになっています。
元々日本人はたんぱく質は大豆などの豆類から摂取してきて、動物性の肉を食べるようになったのは最近のことです。
今回のマクロビ版「沼」にはたんぱく質として大豆ミートを使用しています。
本家の沼に比べるとベジミートはほぐれているので食べやすくなっています。
また、白米ではなく玄米にすることで、GI値を下げました。
さらに水分代謝を改善したり、美肌におすすめのハトムギを入れました!
キノコの種類を増やし、味わいを深く、かつ食物繊維量は本家よりもパワーアップ!
ボディビルダー向けから、女性のダイエット・美容向けのレシピになっています。
味は和風カレーリゾットのような味わいで、見た目よりは美味しく、ややクセのあるハトムギや大豆ミートも気にならず食べられます。
マクロビ版沼:3合炊き炊飯器
玄米 大さじ3(133kcal、たんぱく質2,6g)
ハトムギ 大さじ2(36kcal、たんぱく質1,3g)
わかめ ひとつかみ(16kcal、たんぱく質1,9g)
えのき 1袋 (19kcal、たんぱく質2,2g)
椎茸 1パック (12kcal、たんぱく質2g)
舞茸 1パック (14kcal、たんぱく質3,7g)
カレー粉 大さじ1 (25kcal、たんぱく質1g)
水 800ml
オクラ 8本 (26kcal、たんぱく質1,7g)
ベジミート 60g(224kcal、たんぱく質 31,2g)
塩 小さじ1
今回使用したベジミートは「ボルドーニソイフレーク」です。
お湯で戻して使用するタイプです。
調理方法
1.測った玄米とハトムギを3合炊きの炊飯器に入れる
2.わかめを1つかみ入れる
3.しいたけを1つかみ入れる
4.おくらを8本入れる(ヘタは切らなくても無くなるのでOK)
5.えのき、舞茸を入れる
6.水を0.8リットル入れる(水分量が多い事が重要なのでしっかり入れる)
7.ベジミートを入れる
8.カレー粉を大さじ1、塩を小さじ1入れる
9.1時間半程炊飯した後、6~8時間保温する
◯栄養バランス
ビタミンやミネラルも十分補えるメニューとなっています。
またこれら全部食べても摂取カロリーは554kcalなので、
1日の2食を沼に置き換えるだけでも健康的に痩せることが可能です。
鶏むね肉ではなく、ベジミートを使っているため脂質はとても少ないです。
そのため3食沼にするときは、毎食ゆで卵を1つ食べることをおすすめします。
ゆで卵を毎食食べることで、脂質だけではなく、不足しがちなビタミンA・Eやリン・亜鉛を補うことができます。
ぜひ一度お試しください!
<参考資料>
”カロリーSlism”
https://calorie.slism.jp/