2019.02.01 月経前症候群(PMS)・月経前不快気分障害(PMDD)と漢方
西洋医学での定義・診断・治療
月経前症候群(PMS)と月経前不快気分障害(PMDD)の定義・原因
日本産科婦人科学会でPMSは「月経前、3〜10日の黄体期のあいだ続く精神的あるいは身体的症状で、月経発来とともに減退ないし消失するもの」と定義されています。それに対して米国精神医学会は「単なる精神疾患の悪化でない、月経前に繰り返される気分変調」を月経前不快気分障害(PMDD)としています。PMDD は抑うつなどの精神症状を伴う最重症型の PMS として位置づけられています。特に精神症状が重いのがPMDDです。
生理のある女性の70〜85% は黄体期から月経にかけて何らかの症状を自覚しますが、5〜10%は実際に治療が必要とされる重症 PMS・PMDDであると言われています。
原因ははっきりとはわかっていません。黄体期の後半(生理の前)に黄体ホルモンが急激に下がることで脳内ホルモンや神経伝達物質の異常を引き起こすと考えられています。
参照 日本産科婦人科学会雑誌64巻9号N-117
代表的な症状
MSDマニュアル プロフェッショナル版より改変
症状はひとつとは限らず、同時に複数現れます。イライラ、のぼせ、下腹部膨満感、下腹痛、腰痛、頭重感、怒りっぽくなる、頭痛、乳房痛、落ち着きがない、憂鬱の順に多いとされています。特に精神症状が強い場合には、絶望感や自殺願望が現れることもあり、PMDDと診断されます。
分かってもらえないという苦しみ
多くの女性が経験しているPMS・PMDDですが、男性の認知度はわずか1割程度。生理痛の認知度が7割を超えるのに対し、認知度が低いのが現状です。6割近くの女性が、周囲に理解してもらえずストレスに感じています。(2012 年 PMS(月経前症候群)*に関する男女の意識調査)
診断・治療
診断は、問診やアンケートでの評価が中心です。他の疾患を否定するための血液検査や経腟エコーを行うこともあります。PMDDに関してはより厳密な診断基準があります。
治療に関しては、日本産科婦人科学会のガイドライン上、カウンセリング・生活指導や薬物療法(精神安定剤、利尿剤、鎮痛剤、漢方等)を選択することが推奨されています。また、低用量ピルを使うことを考慮することも勧められています。
PMS・PMDDで処方される薬の例
産婦人科診療ガイドラインー婦人科外来編2017より改変
ただ、原因がはっきりとわかっていない以上、これらの薬物は対処療法であるといえます。
また、同ガイドラインでは根拠がないとしながらも漢方薬を証に合わせて使うことも明記されており、当帰芍薬散、桂枝茯苓丸、加味逍遙散、桃核承気湯、女神散、抑肝散を挙げています。
中医学での原因
婦人を見たら肝病を疑え
中医学では、体内を肝・心・脾・肺・腎という5つのグループに分けて考えます。解剖的な内臓としての意味だけでなく、人体の働きや機能を5つに分類したものです。この五臓は、お互いに助けたり(相生)、抑制したり(相克)しながらバランスを保っており、それが乱れることで体調不良や病気になると考えます。
「肝」は五行論では「木」の性質があり、血を蔵し、全身の流れをつかさどっています。精神情緒の活動を調節したり、気や血を通じさせる作用があるのです。のびのびとしているのが好きですが、一方で塞ぎ込みやすいという性質もあります。
子宮は「血海」という経絡の集合している場所とつながっています。字の通り、生理周期によって血が海のように満ち干きします。中医学では生理や妊娠などの異常は血海の異常と考えます。
肝は血を蔵してその分布にも関わっていますので、血海とも非常に深い関係です。肝の伸びやかさが失われ気血が滞れば、血海にも影響が出て、生理などの異常につながることがあります。また、生理前の血海は満ちているときに、パンパンに張って緊張しがちです。そうすると、肝の伸びやかさが失われ、精神情緒へ影響が出たり、全身の気血が滞ることで様々な不調が出てくるのです。その際、鬱々とした肝から熱が発生することがあります(肝鬱化火)。その熱がのぼせとして現れたり、他の臓、経絡へ波及して症状が出ることがあります。そして生理が始まり血海が空になるとその緊張は解け、症状はなくなっていきます。
また、肝は胃腸とも関係しているので(相克)、生理周期によって食欲が増減したり、お通じが不安定になったりすることがありますし、乳房痛なども胃腸と肝の経絡の連絡がうまくいかずに起こります。心とは相生の関係ですので、その関係に影響が出ると、動悸や不眠、判断力低下、パニックなどの症状が現れることがあります。
高名な中医学の先生の中には、「婦人をみたら肝病を疑え」や「肝は女性の先天だ(女性の本質は肝にある)」と言った方もいるほど、女性の健康にとって「肝」は非常に重要なのです。
中医学での治療
「肝」が原因ではありますが、肝の不調がどこにどのように起こっているのかによって使う漢方は様々です。大きく実証・中間証・虚証タイプに分けて、代表的な漢方を一部ご紹介します。
実証
<桃核承気湯> 血の滞りが強く、のぼせ、イライラ、動悸、便秘、生理前にシミが濃くなる。
<通導散> 血の滞りが強く、桃核承気湯より気の滞りが強い方。
<大柴胡湯> 気の滞りが強く、肝鬱化火がある。膨満感、イライラ、悪心や胃の痛み。
<黄連解毒湯> 熱を冷ます処方。のぼせやほてり、イライラ、充血、不眠、鼻血。
中間証
<桂枝茯苓丸(加薏苡仁)> 血の滞りがある。腫瘍がある場合にも。冷えのぼせ、下腹部痛。
<柴苓湯> 小柴胡湯+五苓散。肝鬱化火があり、水分も滞っている方に。血を補うものがないので、血虚には単独で用いない。
<芍薬甘草湯> 引きつりや、引きつるような痛み、痙攣に頓服で使用。
虚証
<加味逍遙散(合四物湯)> 気血が虚しているものの、肝鬱化火。お通じが不安定(緊張などで便秘や下痢になるなど)など肝脾不和がみられるもの。
<女神散> 気血が虚していているものの、気の滞り、肝鬱化火。便秘。
<柴胡桂枝乾姜湯> 神経を安定させる作用がある。肝鬱化火。不安感、焦燥感、不眠、動悸。
<抑肝散(加陳皮半夏)> 少し気血が虚しているものの、歯ぎしり、めまい、痙攣、不眠。
<加味帰脾湯> 胃腸が弱く、気血が虚しているものの、不眠、不安、動悸など。出血傾向。
<当帰芍薬散> 血が不足しているために血行不良になっているものの、冷え症、めまい、むくみ、生理不順など。
<(柴芍/香砂)六君子湯> 普段から胃腸が弱く、下痢をするもの。また、食欲の低下しやすいもの。
漢方で改善した実例
人格が変わるほどひどかったPMDDが数ヶ月で軽減
31歳。人から憧れられる、そして、夢中になれる仕事ゆえに、いつも全力投球。休みなく働いていました。体調管理も気をつけているし、健康に関する勉強もしているのに・・・。そんな頑張り屋の女性のお話です。
いつの頃からか生理前は、イライラ。だんだんとそれが制御できないほどひどくなり、他人にも物にもキレてしまう。そして自己嫌悪。訳もなく涙が止まらず、何もかもが嫌になり、全てを捨てていなくなってしまいたくなる気持ちに。そんな辛い状態が毎月やってきました。何とか改善したくて、仕事もやめ、田舎暮らしをしてみたり、健康道場のところへいったり、良いと思うのもは全て取り入れたけど改善の兆しは見えず、最後の砦という気持ちで漢方に辿りつきました。
最初にお話をお伺いした時、あまりに頑張りすぎていて体が悲鳴をあげている、と感じました。やはり「肝」の異常です。この方の場合、西洋医学的にも貧血があり、肝に蓄えられている血が少なく、さらに過労で血を消耗し続け、なかなかそれを補うことができない状況がベースにありました。そこに生理前と、緊張が加わり、「肝」の伸びやかさが失われ、緊迫し、自律神経や情緒に影響したのです。
漢方は、肝をのびやかにさせるもの、そして消耗した「血」を補うものをおのみいただきました。スタートして2ヶ月目には心身共に軽くなり、4ヶ月目にはイライラもほとんどなくなり、キープしています。そして、食べ物も自然と甘いものやお肉を食べたいと思わなくなりました。砂糖とお肉はマクロビの世界では、極陰と極陽。真逆の性質があります。食べすぎはよくありません。体のバランスがとれていくことで、食べるもののバランスも自然と良くなりました。
そして、大事なのは気持ちの事。初めてお会いした日からずっと「自分を認めること」をお話し続けました。調子が悪いのも大丈夫。うまくいかないことがあっても大丈夫。全部無駄な事はありません。白黒ハッキリつけたり、良いこと以外はすべてダメだと答えを決めてしまったり、あまり窮屈になることは心にとって良くないこともあります。心身一如、心と体はつながっています。サインを見逃さず、自分を認めることで健やかに人生を過ごしていきたいですね。
漢方みず堂杏林堂薬局ピーワンプラザ天王店 大森 康次
2018.11.19 後鼻漏と漢方〜3ヶ月で症状ゼロの例〜
3年治らなかった後鼻漏が治った実例
56歳、働き盛りの男性。
きっかけはストレスだと感じていらっしゃいました。最初は痰がよく出るなぁと思っていたのが、だんだんとひどくなり、鼻から流れる痰を吐き出さないと気持ちが悪いし、どんどん溜まるので本当にしんどいということでした。特に仕事終わりが辛く、鼻うがいを1日4〜5回もしていました。TVCMやインターネットでみた辛夷清肺湯を半年ほど続けて飲んでいましたが、余り調子はよくならず、どうにかならないかというご相談でした。後鼻漏以外はとてもお元気な方ですが、ストレスフルな生活をなさっていて、バランスを崩している印象でした。
そこで体の汚れた水を排出しながら、ストレスによる慢性炎症を改善できる漢方を飲んでいただいたところ、1ヶ月後には、鼻うがいの回数が激減!3ヶ月後には全く気にならなくなりました。
西洋医学的な原因と治療
後鼻漏とは?
鼻の中は粘膜が覆っていて、鼻水などの粘液が1日に6リットル近くつくられます。この粘液は、粘膜の表面にある「繊毛(せんもう)」という細かいブラシのような構造によって喉の奥に送られ、私たちは知らず知らずのうちに飲み込んでいます。病気でなくても喉に鼻水や液がたまることはあり、鼻や喉を保護する体の働きです。
しかし、この仕組みがうまく働かなくなると、鼻水が増えて鼻の奥にたまったり、粘っこい鼻水が喉に落ちるという症状が現れます。これが「後鼻漏」です。
原因と治療
①副鼻腔炎や慢性副鼻腔炎(蓄膿症):副鼻腔に炎症が起き、膿としての鼻水が多量に生産される。X線検査で副鼻腔に膿が溜まっているかどうかの診断がつく。マクロライド系抗生物質(クラリスロマイシン)には鼻副鼻腔粘膜の繊毛運動活性化作用があり、カルボシステイン(去痰剤)を併用することで繊毛運動活性化が活発化される。薬物治療で改善がない場合、内視鏡下での鼻副鼻腔手術が必要。ただし、手術を行っても後鼻漏の症状が完全に消失しない場合もしばしばあり、特に鼻副鼻腔粘膜に好酸球が多い場合、手術を行っても後鼻漏は改善しないことが多いとの報告も。
②鼻炎(アレルギー性鼻炎):X線で副鼻腔に炎症がなく、特定の原因がない場合、鼻炎として治療することも。アレルギー検査し、避けることで症状悪化も予防できる。抗アレルギー剤のうち、ロイコトリエン受容体拮抗剤(キプレス、オノンなど)が有効。
③上咽頭炎:風邪がきっかけだったり、アレルギーなどで上咽頭に炎症が起き、膿が発生する。慢性化することも多く、自律神経症状を伴うことも。また、腎臓病や関節炎、膠原病などと関連があるともいわれる。急性であれば抗生物質が処方されるが、慢性化した場合は塩化亜鉛塗布などが行われる(できる施設が限られている)。
④加齢による粘膜の変化によるもの:根本的治療法は確立されていない。マスクや加湿などが有効な事も。
中医学的な原因と治療
<実証>
1、肺経風熱:鼻水は黄色か白色で、粘り気があって量が多い。鼻づまりは継続的だったり間欠的だったりする。嗅覚が低下し、鼻粘膜が発赤腫脹する。
全身では、発熱悪寒、頭痛、咳、痰なども同時に出ることがある。肺という呼吸器を主るところは鼻と繋がっています。風熱邪毒が肺の経絡へ入り、鼻へ鬱滞すると粘膜を焼き、発症します。
代表処方・・・辛夷清肺湯
2、胆腑鬱熱:鼻水は黄色で濁っており、粘稠、量が多く、鼻腔上部から流れ出し、臭いがあり、嗅覚が低下。鼻粘膜が腫張し発赤が顕著。激烈な頭痛があり、眉間や頬部に痛みがある。全身では喉の乾燥、耳鳴り、目の充血、睡眠不足で夢が多い、怒りやすい、などの症状も同時に見られることがある。漢方で胆は、自律神経を主る「肝」と表裏の関係といって連携しており、胆汁を貯めたり排出したりして消化吸収の一役を担っている他、胆は肝と協同して疏泄(精神情緒の活動を調節したり、気血を通じさせる)作用があります。胆の気は脳に通じていますし、胆は決断力にも関わっています。感情が抑鬱したり、怒りが過ぎたりすると、胆は疏泄ができなくなり、気が鬱して火へと変化し、胆火が上部を侵犯すると熱が脳へ移り、損傷が副鼻腔に波及して気血を焼灼すると、粘膜を灼いて腐敗させ、鼻水が発生します。
代表処方・・・竜胆瀉肝湯、荊芥連翹湯
3、脾胃湿熱:鼻水が黄色く濁って量が多く、鼻腔からチョロチョロと流れ続ける。ひどい鼻づまりになると嗅覚がなくなることも。鼻腔内は発赤腫張し、痛みも伴う。特に腫張が顕著。全身では、頭が重く痛みがある、体がだるい、食欲不振などの症状も出ることがある。
脾胃とは胃腸のこと。普段から酒・脂っこいもの・甘いものを好んで摂取していると湿熱(ドロドロしたお水に熱が加わったもの)が発生し、それが溜まってくると胃腸の機能を損ねます。胃腸は食べ物を消化したり水分を運んだりしていますが、その機能が失調すると、必要なエネルギーが作られない上に未消化の汚れたものがたまります。そのために湿熱が上部を蒸し、副鼻腔内に停滞して集まると、副鼻腔内の粘膜を焼灼して損傷し、鼻水が発生します。
代表処方・・・茵蔯五苓散、茵蔯蒿湯
<実証〜中間証>
1、肝気鬱結:症状に波があり、痰や鼻水の形状も様々。全身では、暑かったり寒かったり、胸や脇腹が張る・痛い、口が苦い、喉の乾燥、排尿異常、汗の異常など、自律神経がバランスを取れなくなった場合の症状が多く見られる。
様々なストレスが原因で、肝の疏泄機能に異常をきたし、肝気が鬱結して気滞痰凝となる。鬱から熱や火へと変化して火熱上亢となると、上咽頭や副鼻腔の粘膜を焼灼して損傷する。
代表処方・・・「柴胡」を含むいわゆる柴胡剤と呼ばれる漢方。抗炎症作用に優れる。
<虚証>
1、肺気虚寒:鼻水は白く粘り、鼻がつまる(重い場合も軽い場合もある)。風や冷えなどの刺激で悪化する。全身では、めまいや体の冷え、咳や痰などの症状が同時に出ることがある。
長患いのために体が弱くなったり、病後の栄養失調などといった原因により、肺(呼吸器系)が虚損して肺気が不足していると、防御機能が弱くなって、外からの邪毒に犯されやすくなり、邪が鼻に停留します。この鼻水は潤いを損傷したものなので、白く粘り気があって無臭です。
代表処方・・・葛根湯加川芎辛夷+肺気を補う黄耆などを配合している処方(補中益気湯など)
2、脾気虚弱:鼻水は白くて濃く粘る、または黄色く粘稠、量は多く無臭。鼻閉が重く、嗅覚が低下し、鼻腔粘膜の腫張がひどい。全身では、体がだるくて脱力感があり、食が細くお腹が張る、便が緩い、顔色が良くないなどの症状を伴うこともある。
飲食の不摂生、過労、悩みすぎによる鬱結などのために脾胃を損傷し、脾胃が虚弱になると消化機能が失調します。そのために「気(元気)」や「血(栄養分)」などが作られなくなると、鼻は気血による栄養を失ってしまい、邪毒により長期間困窮させられると、粘膜が腐敗して濁った鼻水が分泌されるようになります。また脾が弱く水分代謝がうまくいかないと、湿(汚れた水)がたまり、それが上部に移行すると鼻水となります。
代表処方・・・参苓白朮散、補中益気湯などに湿気を取り除けるようなものをプラス
3、肺陰虧虚:痰は粘ついて少なく、時にむせる。喉の乾燥、不快感がある。全身では頬の紅潮、手足の中心が暑くなる、精神疲労、言葉に力がないなどの症状を伴うこともある。肺の水分が不足することで火がくすぶっていて、それが上咽頭を上炎するために炎症を起こします。加齢で起こることも多く、西洋医学的には治療が困難な場合も。
代表処方・・・麦門冬湯
4、腎陰虚損:黄白色の痰で粘っこいが量は多くない、口が渇くが多くは飲まない、喉の灼熱感や不快感がある場合も。全身では、くらくらする、かすみ目、耳鳴り、不眠、腰や膝がだるいなどの症状を伴うこともある。
腎(老化を主るところ)の水分が不足したために火を制御できなくなり、上咽頭にくすぶった火が上炎すると、粘膜が損傷し、痰を生じます。加齢で起こることも多く、西洋医学的には治療が困難といわれることも。
代表処方・・・知柏地黄丸
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2016.01.13 おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)を早く治す方法~我が家の4歳児の場合~
各メディアからニュースが出ていますが、おたふく風邪が全国的に流行しています。特に漢方みず堂のお膝元、佐賀県は全国一の流行のようです。
おたふく風邪とは?
→おたふくかぜ(=流行性耳下腺炎)は、ムンプスウイルスに感染することで発症します。ムンプスウイルスに感染し、症状があらわれるまでの期間は約2~3週間です。
感染力はインフルエンザやノロウイルスに比べ圧倒的に弱いものの、感染してから症状が現れるまでのこの長い潜伏期間がやっかいです。クラスで1人出たら、もうそれから次々におたふく風邪になる覚悟を決めた方がいいでしょう!実は我が家の4歳児は、クラスで一人目のおたふく風邪。11月下旬になり、そこから次々におたふく風邪のお友達が続き、年末年始にちょうどおたふくだった子もいたようです。
おたふく風邪の症状
→耳下腺部(耳の下、頬の後ろ側、あごの下)の腫れです。一般的には片側からはじまり、1~2日間で両側が腫れてきます。最初の1~3日間は、腫れている耳下腺部が痛みます。腫れと痛みがひどい場合は、食べ物をかめない、飲み込めないなどの症状があらわれます。また多くの場合高熱が出ます。腹痛・下痢が出る場合もあります。
我が家の4歳児の場合、耳下腺が腫れる前から、ちょっとした兆候がありました。1週間前ぐらいに食事の時に顎あたりを押さえて痛がるような仕草。まだクラスでは一人もおたふく風邪が出たということもなく、単に「顎関節症か!?」と思ったぐらいで、その時は気づきませんでしたが、後から考えるとちょっとした兆候だったと思います。そして、普段便秘気味の子にしては、便が緩め?で少し体調悪いのかな~と思っていました。
そして、それから1週間後ぐらい、片側の耳下腺がぷう~っと腫れ、朝ご飯が痛くて食べれず・・・この時点でようやく「おたふく風邪!?」と思います。あれ~?と母子手帳をめくってみると・・・・長女・長男はしっかり予防接種していたのに、あれ~!?3人目ってやっぱり適当になってます・・・・予防接種していませんでした。熱を測ると38度ぐらい。おたふく風邪の場合、病院に行っても薬はありません。解熱鎮痛剤をもらうぐらいです。抗体検査をする場合もありますが、ほとんどの場合は診察しておたふく風邪でしょうという感じです。
ではこんな時に早く治す方法があるのか!?実は、漢方は体の免疫を最大限に引き出してくれるので、さっさとウイルスをやっつけ免疫をつける手助けをしてくれます。
高熱の間は麻黄湯
まずは、朝葛根湯を飲ませました。そうこうしているうちに、お昼には40度近くの発熱!!おたふく風邪はインフルエンザ以上に高熱が続くので注意が必要です。周りでも40度が4日間続いた!という話も聞きました。大人の男性がかかると、20%程度精巣炎を併発し、無精子症になることもあります。
そう!こんな時には「麻黄湯」を飲ませます。さすがに昼食は食べず、漢方を飲んでひたすら眠ります。ここで解熱鎮痛剤を使うと、一時的に元気になり、ご飯を食べたり、遊んだり・・・余計なエネルギーを使います。熱性けいれんなどの心配がない場合、漢方では、熱は下げない、むしろウイルスとの戦いに集中してもらいます。それから3~4時間おきに麻黄湯。夜は少しのおかゆ。水分補給はこまめに。それでも1日目は39度ぐらいが続きました。
翌日、ついにもう片方の耳下腺も腫れてきました。いよいよ痛くて何も食べれない状態。食べたいけど・・・噛むと痛い!!可愛そうです。熱も朝は38度台、昼は39度ぐらいまで上がっていたので、2日目もひたすら麻黄湯。少しテレビを見たぐらいで、あとはずっとコンコンと眠っていました。夜は茶碗蒸しを作って、少しは食べていました。
熱が落ち着いてきたら症状に合わせて
3日目、まだまだ耳下腺は腫れているものの、熱は37度台に。お腹が痛い~となることもあるため、ここからは柴胡桂枝湯に切り替えました。やはり噛むと痛い状態なので、ご飯はおかゆやプリンやヨーグルト、かろうじてうどんぐらいは食べられるようになりました。
4日目以降はいたって普通に。でも3日間ぐらいは柴胡桂枝湯を飲ませました。これだけ早く回復し、高熱が続かなかったのは、漢方のお陰だったのではないかと思います。
おたふく風邪は一度かかるともうかからない?
本当におたふく風邪であれば、一度かかればもうかかることはありません。他のウイルスで耳下腺が腫れる場合や、何度も耳下腺部が腫れる反復性耳下腺炎という病気もあります。おたふく風邪の診断確定のためには抗体検査をしなければいけません。一度かかったのに、またかかった!という子供さんもいましたが、抗体検査をしてみないことには、本当におたふく風邪だったのかが分かりません。
漢方みず堂本部 福田 茜
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※子供の漢方に関する記事
2015.10.21 子供の漢方
朝晩がめっきり冷え込み、我が家のキッズもちょっと鼻水ぐしゅぐしゅ、咳をコンコン・・・
最近は、自分から「かんぽーのむ!!」と言います。
作り方はいたって簡単、粉の漢方を少なめのお湯(30mlぐらい)で溶かし、黒糖かはちみつを入れてあげます。
もうすぐ4歳になる末っ子は、1年前ぐらいまではなかなか飲んでくれませんでしたが、最近は「おいしい」とまで言って飲み干します。
粉薬で風邪の引き始め用に常備しているのは、
葛根湯:風邪かも?な~んかちょっと怪しい時にすかさず。末っ子は麻黄附子細辛湯や葛根湯加川芎辛夷の味が飲めないので、何でもかんでも葛根湯です。大人の場合は、ちょっと肩こり酷い時も。
小青竜湯:水鼻ダラダラ、鼻が下りてきて咳コンコンの時。
桂枝湯:なんかちょっとお腹痛い時。キッズに味が人気ナンバーワン漢方。おかわり必ずせがまれます。
葛根湯加川芎辛夷:なんか頭痛い~、鼻が詰まる~という時。
麻黄附子細辛湯:なんか喉がイガイガする~、寒がり、虚弱体質。専ら我が家では奥さん用。長女(12)・長男(7)もこの味はちょっと苦戦します。
子供が3人いれば、これからの季節は誰かしら何かしらありますが、我が家はここ何年も小児科には予防接種以外行かなくなりました。
本来子供は「純陽」と言って、「陽」の塊だと考えます。現代っ子の中にはそうでもない子ももちろんいますが、基本的に子供は生気が満ち溢れているものです。
実際、子供たちを見ていると、漢方の効きも良く、インフルエンザさえも1日で治ります。自然治癒力万歳ですね!!
福田 学
2015.08.02 心 食 動☆ 休 環
6月からジムに通い始め、もうすぐ2ヶ月が経ちます。
情けないことに生まれてこのかた ほとんど運動したことがなかった私が
まさか筋力トレーニングをはじめるなんて 今までからすると考えられなかったことなのですが
相談員になってから より強いこころを持ちたい!と思ったのと、
これまで自分の身体のために約一年程かけて取り組んできた
養生(=心 食 動 休 環 のバランスを整えること)で
だいぶ体調がよくなってきたので、なかなか最後まで踏み込めずにいた“動”がクリアできれば
もっと良い状態が維持できるかなという希望を抱き、意を決してスタートしました。
まだまだ筋肉は目に見えるほどついていないので、思っていたよりすぐには変わらないものだなあと思いながらも
身体を動かした後の爽快感がやや癖になりつつあることが自分でも驚きですし、
なんだか体調が良いので、このまま続けていければきっと嬉しい変化が現れてくるだろうなという予感に
わくわくしています
これからも「健全なる精神は健全なる身体に宿る!」をモットーに心身を鍛えて
健康を作っていきたいと思います。
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