症状別 漢方の教え

KAMPO KNOWLEDGE
更新日:2019/12/24 (火)

風邪の漢方の正しい飲み方

風邪の漢方は葛根湯に限らない

風邪には葛根湯。聞かれたことがある方いらっしゃいますよね^^

実は風邪には数十種類の漢方処方があります。

熱が出る風邪、出ない風邪。

咳が出る風邪、出ない風邪。

汗が出る風邪、出ない風邪。

寒気がする風邪、暑い風邪。

症状は特になく、調べても何にもない。でも風邪っぽい風邪。

様々ありますよね。そんな様々な風邪に対して、それぞれ漢方処方があります。それぞれについての漢方薬はまた別の機会に。

風邪をひいた時、○日分の薬をもらったんだけど、いつまで飲めばいいのか?そんな風に思ったことはありませんか???

「出された通り全部飲む。」それが当たり前。何となく良くなったら飲むのを止める。などそんな声が聞こえてきます。

寒気がして、肩や背中が強張った時に飲む葛根湯、インフルエンザや小児の風邪に良く使う麻黄湯、軽い風邪に使う桂枝湯などなど、実は飲み方や過ごし方、注意する食べ物も古い漢方書籍にはちゃんと記してあります。

桂枝湯の飲み方の現代語訳

桂枝三両(去皮) 芍薬三両 甘草二両(炙) 生姜三両(切) 大棗十二枚(擘) 上五味,ホ咀(ほしょ)三味,以水七升,微火煮取三升,去滓,適寒温,服一升。服已須臾,歃熱稀粥一升余,以助薬力・・・・

と漢字のオンパレード・・・
ざっくり現代風に訳すと

「漢方薬はこんな感じで煎じるのよ。そして飲みやすい温度で約1/3量飲んだらお粥をすすって布団に包まって身体を温め、じわっと汗がでるように発汗させるんです。「じわっと発汗」がポイントで、ダーっと流れるような発汗はダメ!そんなことしたらかえって治らないですよ!で、1回飲んでじわっと発汗したら、それでOK!残りは飲まなくて大丈夫。飲んでも汗が出なかったらまた1/3量飲んで同じように繰り返す。それでも出なかったら半日で合計3回分飲みなさい。風邪の症状が強ければこれを一昼夜繰り返す。それでもダメなら新しいものを作って、とにかく汗が出るまで続けるのよ!そうそう、こういった時は、なまものや冷たいもの、ねばねばやヌルヌルしたもの、肉類や麺類、お酒や乳製品、嫌なにおいがするものは食べちゃいけません!」とまあ、事細かく書いています。

服薬指導の矛盾

以上から西洋医学風に1日3回で飲んでいたら・・・・良くなったのに残っているけど・・・

調剤薬局の薬剤師は、処方箋に書かれた通りに説明しないといけませんので、説明する時はここの辺りは非常~~~に困ってると思います。私はちゃんと言っていますが・・・。

実は病気は、自分の生活習慣や生活活動の中から起こっているものが多いんです。お薬で治そう!そうみんな思いますが、お薬(漢方)を飲みながら、その生活習慣、生活活動を振り返って、改善できるところを改善すると病気になりにくい。漢方はそこも指摘しています。

飲めばいい。そういう訳ではないんですね^^風邪の時もそうですが、飲み方や食事についても聞いておいた方がいいですよ!^^