症状別 漢方の教え

KAMPO KNOWLEDGE
更新日:2019/12/24 (火)

冬に肩こりが悪化!寝返りもうてない!

46歳 女性

10年くらい前から首筋から肩にかけてぱんぱんに張る。サロンパスやぬり薬で対処していたが、半年前の冬から、動かすと声をださないといけないような痛みが出だした。肩の関節がずきずきするような痛みで、寝返りもうてない。専業主婦をしていて家事の疲れが溜まっていたせいか、冬の寒さのせいか原因ははっきり分からない。痛みが出してから半年間、症状は変わらない。

また、子どもの頃から冬になると手先、足先がすごく冷える。お風呂にはいってもなかなか温まらない。特に足が冷える。

体質は、花粉症、ハウスダスト、疲れやすい、目の乾燥、肌の乾燥(冬だけかゆみがでる)、食欲は少なく脂っこい食べ物を食べた後は胃がしくしく痛むことがある、寝つきが悪い(元々良くないが肩の痛みが出だして余計寝れない1時間くらいかかる)

冷えで悪化する痛み

液体は冷えると固まるように、血液も冷えると流れが悪くなります。冷えによる痛みにはよく附子の入った漢方を使います。附子の入る漢方薬にも様々あり、胃腸の強弱、痛みの部位が上半身なのか下半身なのか、などによって適切なものを選んでいきます。

実は今回は、最初は胃腸に優しい、上半身の症状に良い漢方薬をお飲みいただきました。後半の冬にかけては、胃腸の調子も改善していたので、温める機能を担う「腎」を強め、冷えをとりながら血水の流れをつけていく漢方に切り替え、改善に至りました。

約半年で改善

1か月後、飲んでいると気持ち的に少し良いかなと思うが、肩の痛みに大きな変化は感じない。脂っこい食べ物を食べてしくしく痛むことが少なくなってきたように感じる。少し食欲がでてきた。

2か月後、肩の痛みずきずきした痛みが若干和らいでいたように感じる。肩の痛みが和らいだせいか寝つきが良くなってきたように思う。1時間かからない。食欲が出てきて、ごはんがおいしく感じるようになった。脂っこいものを食べてもしくしくするような痛みがなくなった。疲れを感じなくなってきた。肌の乾燥気になりだした。

胃腸の調子も改善していたので、ここで漢方薬を切り替えました。

3ヵ月後、肩はさわるとかたい感じはするけど、ずきずきする痛みはなくなってきた。だんだん寝付き良くなってきている。布団に入ってすぐに眠れる日が増えてきた。寒くなってきて手先、足先が冷たくなるようになってきた。しかし、以前と比べて冷えを感じてもお風呂に入るとすぐ温まるようになってきたように思う。食欲もしっかりある。胃のしくしく感もない。疲れも感じない。

4か月後、肩のずきずきする痛みは感じない。腕があがるようになった。寝付きとても良くなった。起きたときの満足感を感じるようになった。だんだん寒くなってきているけれど、寒さでかじかむということがなくなった。温かい場所やお風呂に入るとすぐに温まるようになった。ボディミルクを使いだして肌の乾燥が落ち着いた。以前は冬場は乾燥してかゆみが出ていたがそれがなくなった。

5ヶ月後、肩の痛みはなくなった。肩がこるからと誰かにもんでもらうことがなくなった。寝付きも変わらず良い。冷えは靴下2枚履いていたのが1枚になり、なかなか手足が温まらないということなくなった。

6ヶ月後、波はあるが以前のような痛みやぱんぱんに張ることはなくなった。寒いところにいても平気になってきた。体の調子も気持ちも前向きになった。仕事を始めてみようと考えている。