症状別 漢方の教え

KAMPO KNOWLEDGE
更新日:2019/12/25 (水)

代謝を正常にする漢方で体臭を克服!

においの問題は切実
若い女性のご相談。
中学生のころからご自身の脇のにおいが気になっていらっしゃいました。

夏の汗をかく時期だけならまだしも、寒い冬もにおいが気になって仕方ありません。
ドラッグストアなどに並ぶさまざまな制汗商品・においに良いといわれるものは片っ端から試しましたが、皮膚がかぶれるだけで効果は感じられず・・・。

おばあちゃんが、やはりにおいを気にしていたという話を聞いて、遺伝だからしょうがないのかなぁ・・・とあきらめ半分。
でも漢方なら・・・と期待が半分。
そんな印象でした。
自分で解決できない原因も
においがきつい人というと、何となく、肉食の太った人とか、お酒やタバコを好むとか、そういう人を想像しませんか?
そういう場合の体臭なら、ダイエットや、規則正しい生活をすることで改善していきます。

でも、この方はやせ形でお酒も飲まれず、たばこも吸いません。
食事も、生活習慣も、きちんと整っていらっしゃいます。
代謝が滞ることが臭いの原因
犬には癌のにおいが分かるそうで、がん探知犬の研究もなされています。
糖尿病にも特有のにおいがあると言われています。

食事の不摂生で起こるものもそうですが、代謝できる能力以上に特定のもの(大概は体に悪いもの)を取り入れてしまっていたり、代謝能力が落ちてしまって不要なものがたまることでにおいが発生しやすくなります。
そしてそこに「熱」をもつと、においはより強くなります。
日本人に多い「水分代謝がうまくいかない体質」
例えば、お酒をのんだら下痢をする。という人も多いのではないでしょうか?

日本人に多いのですが、「脾」という消化吸収・水分の運搬を行うところが弱く、水分代謝が効率よく行えない体質というのがあります。
そうすると、あふれた水分は行き場をなくして停滞し、次第にドロドロとしていきます。
それがにおいの元になるといってもよいでしょう。

ご相談にいらっしゃったこの方も、ちょっとしたことで下してしまうという体質でした。
デトックスも必要だけど、代謝を正常にしていくことが重要
体質的に「脾」が弱かったお客様には、ドロドロしたお水「痰湿」を取り除く効果もありながら、「脾」そのものの働きを強くしていく漢方を根気強く飲んでいただきました。

1年後には汗をたくさんかいたときだけ臭いがする程度になり、
3年ほどたった今では夏でも全く気にならなくなりました。
もちろん、脾の力もついてきたので、お腹を下すこともなくなってきました。
においの原因はひとつとは限らない
「脾」での水分代謝だけが原因とは限らず、他にもさまざまな要因があります。
ストレスだったり、老化だったりすることもあります。

この方も体調によって、時々漢方を変えて、少量ずつ続けて飲んでいただいています。
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