河端孝幸の読む漢方

  • 世界糖尿病デー~糖質制限はするべきか?~
  • KAMPOREADING > 
  • TOP > 

世界糖尿病デー~糖質制限はするべきか?~

11・14

11月14日は、インスリンを発見したカナダのバンティング博士の誕生日であり、糖尿病治療の画期的な発見に敬意を表し、国連では、この日を糖尿病デーとして顕彰しています。
日本においても、糖尿病が強く疑われる患者数が千万人を超えたという報道が、つい先ごろの新聞に記載されておりました。また、糖尿病と強く疑われる人と可能性を否定できない人の合計は約2050万人(平成24年国民健康・栄養調査 (厚生労働省))といわれております。なんと、5人に1人の割合で糖尿病の可能性があると言う事となります。
一般的に糖尿病で死ぬことはないと言われますが、糖尿病が引き金となって、例えば動脈硬化や心筋梗塞で命を落としたり、失明したり、腎透析をせざるを得なかったり、そうした合併症が多く存在するのが糖尿病の特徴です。

糖質制限の是非

最近はロカボ(低糖質)という言葉が流行っております。糖質制限外来という病院もあるくらいで、糖尿病の治療に効果を発揮しております。しかし、日本糖尿病学会は2013年に、「炭水化物のみを制限する糖質制限食は勧められない」との声明を出しています。その理由として、効果だけでなく、長期的な食事療法としての遵守性や安全性などでエビデンスが不足していることを挙げています。
しかし一方、次第に糖質制限に理解を示すドクターが増えてきているのも事実で、私の知っている限りでは、京都高雄病院の江部先生が一番最初に糖質制限を提唱したのではないかと思います。
私個人的には、ある程度糖質制限は必要であるものの、糖尿病でない限り、あまりにも糖質を目の敵にして制限をするのはいかがなものかと思います。

命全体をいただくマクロビオティック

炭水化物(糖質)、たんぱく質、脂肪が三大栄養素といわれ、さらにビタミン、ミネラル、繊維質を加え六大栄養素とも言われます。もちろんその摂り方のバランスはあるものの、人間にとって必要不可欠なものに違いありません。
脳の働きには、糖質が必要で、あまりにも激しい糖質制限をすると、糖質を最も必要とする脳に栄養がいかないため、健忘症や認知症になりやすいという研究もあるようです。
日本の伝統食をベースに考えられているマクロビオティックという食事療法。これは日本の伝統的な玄米菜食を主体に考えられており、すべての食べ物には命があり、命があると言う事は栄養のバランスが整然と備わっており、命全体をいただく(例えば精米した白米ではなく、お米全体である玄米)ので、生きるというエネルギーも食することができるという考え方です。漢方の世界と相通じるものがありますね。
このマクロビオティックの究極のやり方は一日一食。したがって、低糖質に必然的になります。糖質制限の前提は、糖分を控える事。ご飯を控え、お菓子を食べるのは本末転倒というという事はぜひご承知下さい。