河端孝幸の読む漢方

オノマトペ

オノマトペって?

「オノマトペ」ご存知でしょうか?フランス語で擬声語という意味で、擬音語・擬態語の総称です。
平たく言うと、小川がサラサラ流れる。風がビュービュー吹く。というような、サラサラ・ビュービューという音を模した言葉が擬音語で、ニコニコ笑顔とか、ハラハラするというのは擬態語で、その時の様子や状態や心情など音のしないものを言葉で表したものです。日本語は、このオノマトペが非常に多くあり、私たちの生活には欠かすことができない重要性があるようです。
このオノマトペが最近話題になっています。テレビでも紹介されていましたが、ある幼稚園で、「サー、タン、パッ、トン」という言葉で跳び箱を飛んでいました。サーで助走、タンで踏み台を蹴る、パッで跳び箱に手をつく、トンで着地。それで、今まで飛べなかった子供たちが難なく跳び箱が飛べるようになるとのこと。また、「ギュ、ピタ、クルン」で逆上がりができるようになるようで、ギュで鉄棒を握り、ピタで体を鉄棒に近づけて、クルンで回る。その音のリズムで逆上がりができるようになるとのことです。ぜひ、小学低学年のお子様をお持ちの方で、お悩みの方は実行されるといいと思います。また、こんな実験もしていました。明日持ってくるものを忘れないために、先生が、その持ってくるものを発表する前に、ピピピと声を出して持ってくるものを言うと忘れ物が減るということです。
このオノマトペを一番多用していた有名人というと何と言っても私は長嶋茂雄巨人終身名誉監督だと思います。「バットをグーッと構えて、来たボールをバァッーと見てガーンと打つ。」長嶋茂雄氏の言葉は、いい意味で大変面白い言葉が多いですが、オノマトペを使う天才だと思います。

漢方とオノマトペ

さて、漢方の世界とオノマトペ。全く違うように思われるかもしれませんが、わりと似た世界観があるように感じます。漢方の世界で一番大切にしているのは「気」。見えないものをすべて「気」が流れていると考えて見ようとしている所。気持ちがいい、気分がいい、気立てが良い、気が付く、気配り……。ないモノをあるモノとしてとらえる捉え方はまさにオノマトペと言えますね。もう少し言うと、オノマトペを使った言葉で先ほどの跳び箱を飛べるようになったり、逆上がりができるようになったり、忘れ物がなくなったり。その擬態語はどちらかというと前向きで、イメージしやすい音。私は脳化学者でも何でもないですが、脳に刺激を与え、脳を活性化して、やる気を出させて実際にできるようにさせると素人ながらに考えられますね。漢方でも気を巡らす、血を巡らすという意味の理気(りき)、理血(りけつ)という言葉があります。元気のない体を漢方薬の力で巡らせて活性化をする。そして、元気になる!毎日がワクワク!という言葉。言葉と漢方薬の世界。前向きな言葉と漢方薬が健康の秘訣のように思います。